内容説明
男てえのは理屈じゃねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、てめえに言いきかせて生きるもんだ。アール・ヌーボーの闇の底、江戸ッ子義賊が駆け抜ける―。天衣無縫の大正ピカレスクロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
酔拳2
43
平成も終わろうてえこの時分に、わざわざ大正時代の盗っ人の話を好きこのんで読んでやろうってえんだから、酔狂な輩もいたもんだなぁ。おいらのことだが…。てな訳でこのシリーズ、何年も前に読んだことがあって、多分浅田次郎作品との出会いだったと思う。これ以来浅田先生の大ファンです。江戸弁で七五調の語り口がしびれるぜー!出てくる面子も粋でいなせな野郎ども、ときたもんだ。できれば第一巻から読みたかったなー。2019/05/01
月夜
24
大体感想は みなさんに言われつくしちゃっています。「俺は男だ」 と言う呪文は今 この日本で 唱える男子は いるのだろうか?2015/01/17
ひろん
22
粋で鯔背な目細の安一家。それぞれを格好良く書かれた第三夜から第六夜。登場人物の特徴が際立ち、話に引き込まれました。2013/08/05
yanagy
19
最後の章、泣けました。どんな親でも恨んじゃなんねぇ。人間ならば。それにしても兄貴たちの格好良さは半端ない。2013/11/28
藤枝梅安
17
天切り松の回想は、時代を自在に前後する。吉原の大籬・左文字の跡取り息子である康太郎と知り合い、親友となった。康太郎の叔父は歌舞伎役者・中村燕蔵。第一巻では「中村鶴蔵」だったが、たぶん出世して燕蔵を襲名したのだろう。それぞれのエピソードは「男のけじめのつけ方」や「損をしても義理を通す」という義賊の生き方を現代に伝えようとする松蔵の語りとなっている。2010/03/15