あふれた愛

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087743739
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ふたりでいても、かなしい。ひとりでいても、いとしい。生きていくということ―その意味と真実とは。人々の交錯する心情を通して問いかける四つの物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

96
どうしようもない感情があふれてくるようでした。心に何かを抱える人たちの紡ぐ様々な愛の形。幸せとは限らないけれど、それぞれが相手を思いやっている気持ちは伝わってきます。息苦しく、傷つけてしまうこともあるけれど、その人なりの真摯な気持ちは本当だと信じたいと思います。2017/05/21

b☆h

41
4つの物語から成る短編集。どれも、よくある〝愛物語〟とは一線を画すものばかりで、理解には到底及ばないように思う。確かにその想いはあるかもしれないが、どの物語も自分勝手な男たちの言動が目についてしまう。現実の愛は、そんな中にあるのかも知れないけど、どうしてもモヤモヤしてしまった。いくつかの物語では、ほんの少し行動が変わる予感を感じられ、少し救いもあったけど…まだまだ上澄みしか読めていない感が半端なくある。10年後、20年後読んだら違う感想を抱けるのだろうか。2022/06/06

そうたそ

36
★★★★☆ 天童荒太さんにしか書けない作品ばかりだとつくづく感じた。今まで天童さんが作品に書いてきたようなテーマが短編に凝縮されている。作品を通してのテーマはタイトルにもある通り、「愛」だろう。恋「愛」ばかりが愛ではない。この作品に描かれているのは一筋縄ではいかない愛情ばかりだ。客観的に見れば、歪んでいるとさえ思えてしまうほどの。「愛」なんていうものを語るのは難しいことなんだろうけれど、それを精悍な作品世界に落としこんで描いてしまえる天童さんの才能には感服するばかり。短篇集ながら濃厚な一冊だった。2014/07/02

銀河

15
悲しいなぁ。生きていくのが辛い人たちの物語。自分の傘を黙って持って行かれそうになって咄嗟に声をかけられない香苗、シチュエーションは違えど私も何度もあった気がする。そして自己嫌悪。一つ目の鬱病になった若い母親の話に号泣。旦那さんの対応が悪すぎる!実家の反対を押し切った結婚、子育て、こどもはアトピー、旦那は病気持ち、すごく頑張ってた妻が一番辛い時支えてくれない夫など、許しちゃダメ。あの時頑張った自分がかわいそうだから。2010/11/08

がぼ

14
天童荒太は初読、短篇集ですた。 本のタイトルから勝手に愛を通わす人々の交流を描いた心暖まる感動モノだと思っていたんだけれども、予想に反して上手くいかないものも含めた様々な愛が描かれていてちょっとびっくり。 精神的な問題を抱えた人々が多く登場するのが特徴で、そのために人間関係が繊細で脆いようなものに感じられ、だからこそお互いを大切に扱い受け入れようとひたむきに努力する姿が描写されていて、しみじみと人と人との触れ合い方を考えさせられた。最後のコンビニ店員と未亡人のお話がこれからの展望も期待できて、好き。2012/12/17

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