内容説明
来週の金曜日に死ぬことにした。貯金が百万ほどあり、先ずは酒池肉林に使った。周りは私を食い物にする。保険がかけられ、殺し屋が付きまとう。私に自由な死は与えられるのか?死のアーティスト自由の過酷を思い知る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くまんちゅ
6
1週間後に死のうと決めた男の話。序盤はちょっと波に乗れないところもあったのですが、誘拐のあたりからだんだんと入り込むことができました。著者のあとがきにある「私たちは自殺する自由を持っているが、その自由は過酷である」という言葉が印象的。確かに死のうと決めて、自由になんでもやりたいことをやってやると思っても俗っぽいことしか思い浮かばない。自由というのも案外難しいものだ。2015/05/07
優希
6
タイトルが凄いですよね。死刑判決を受けたという前提で話は進みますが、これがまたユニークで。死ぬ方法も死刑執行日も自分で決めていいという「自由死刑」。この判決のもと、男は1週間後に死を決めます。残された時間をいかに過ごすかを考え、色々行動を起こすわけですが、余命を決めた生き方から伺えるのは生死に対する意味でした。何だか考えさせられましたね。死ぬ自由を与えられたことで、その過酷さを共に体験していたのかもしれません。死刑という名目上で自殺志願の男を描いた本質は、死への想いを掘り下げることだったのかもしれません。2013/10/12
無添
3
一週間後に自殺する事を決めた男。2018/08/22
陽
2
自殺する理由がなくても自殺するんだな。 100万円で思い残したことすべて叶えてしまったことで、この世に未練が残るし、死にたくないと思うのが普通だろうけど、それではこの物語が成立しなくなってしまうよな。 仕方なく、無理無理自殺したような最後だけど、死にきれず、なんだか引きずった過酷な死に方にしてしまったことも、締めくくりに落ちを付けたかったんだろうな。2015/10/30
Yori
1
一週間後に自殺を決めた男の物語。お金儲けをたくらむ男、アイドル、殺し屋の医者。狂言誘拐。命と向き合う。よくできている。2014/01/18