鳩の栖

  • ポイントキャンペーン

鳩の栖

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 178p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087742343
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「きみにも、叫びたくなることがあるの、」「…あるよ。この頃はとくに。」雨音のはざまに響くその音に、病床の少年はなにを思うのか。長野まゆみが描く五つの静謐。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ううちゃん

26
周期的に浸りたくなる長野さんワールド。どの短編も詩的な美しさだ。どの章にもいつもの繊細な壊れやすい少年たちがいる。表題作、ぼろっ!という感じで泣いてしまった。水琴窟の音色がとても似合う。そしてやはり「紺碧」の亨と真木がいい。連絡をすれば雨中をかまわず走って来てくれる、という真木。続編を続けて読む。2019/04/15

二藍

18
「鳩の栖」「夏緑陰」「栗樹-カスタネア-」「紺碧」「紺一点」の五作からなる一冊。どの話も少年たちの繊細な感情の揺れを丁寧に追いながら、彼らの姿を印象的な情景の描写によっていっそう美しく切り取っている。「栗樹-カスタネア」の乙彦と端のすれちがいや、たどたどしい交流もじれったくて好きなんだけど、「紺碧」の亨と真木のさっぱりしたつきあいも気持ちがいい。「紺碧」冒頭で亨が高台へ上って水平線を臨む描写が、とてもとても好き。2014/08/26

凪織

16
随分前に『紺極まる』を読んでおり、やっとこちらを読めた。しとしとと滲む雨と、雨雲の向こうにうっすら覗く薄い青空みたいな短編集だと思った。表紙のイラストのように、視界に白が刷いた雰囲気は霞のごとし。繊細で時に儚く、時にピンと張りつめたピアノ線みたいな少年達が、一瞬一瞬を生きている。今回はややこしく性格がこじれている登場人物もおらず読みやすかった。別視点から読んだことで、改めて『紺極まる』を読み返したい。2015/06/17

きゅーま

15
思春期の少年の、人間関係の中で揺れる心の動きが、美しく切なく軽やかに描かれている短編集。長野まゆみさんの描く少年の儚く頼りなくも、も芯の通った人間らしさを感じさせられるところが存分に生きた作品集だと思います。表題作『鳩の栖』の雨降る日に水琴窟の音を聞いているシーンが綺麗で優しいのにどこか淋しくて好きです。2011/04/22

ふっちー

12
同じ作家さんの「団地で暮らそう!」と同時に借りたのですが、随分雰囲気が違いますね…静かな哀しい雰囲気でした。表題作は泣けました…。2018/09/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/580118
  • ご注意事項