内容説明
ナポレオンの外交官として世界をさっそうと巡り、エカテリーナ、ヴォルテールらと交わり、画家・作家であり、華やかな恋の遍歴者であり、美のコレクターでもあった男。そしてルーヴル美術館を創った男。つねに権力の中心にいながら、「旧体制」、大革命、恐怖政治、ナポレオン帝政から王制復古という激動の時代を、その変転に裏切られもせず、騎手のように軽快に疾走して78年の生涯を見事に生き抜いた男。ヴィヴァン・ドゥノンの生涯を、躍動感あふれる筆致で描くノンフィクション。
目次
1 謎
2 サンクト=ペテルブルグのわれらが諜報員
3 ヴォルテール家の騎手
4 夜の教え
5 ナポリでの使命
6 ヴェネツィアでの不可思議
7 『恐怖政治』からエジプトへ
8 仮面の男爵のルーヴル
9 セーヌ河畔の哲学者