アブサン・聖なる酒の幻

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アブサン・聖なる酒の幻

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  • サイズ B6判/ページ数 145p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087732597
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

われわれが知っているのは、実のところ、都会のアブサンだけである。酒場の、詩人たちの緑の妖精…田舎のアブサンについて、潅木林に存在したという製造所について、何を知っているというのだろうか。1915年春、ジョゼが姿を消したとき、丘全体に沈黙が拡がった。アブサンは忘れられてしまった…だが、9歳の少年が、この酒の驚くべき力を見つめていた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

紫羊

21
ディーネセンの不思議で美しい物語を思い出しました。アブサンは未体験ですが、シャルトリューズが好きで、就寝前に薄い湯割りにして飲んでいます。薬草の香りが一日の疲れを癒してくれます。そういえばアブサンのように角砂糖にしみこませ齧ったこともあります。2017/03/20

YO)))

21
過ぎ去りし日々への追想と、魔酒アブサンの酩酊の中に見る幻影。どれほどの違いがあるというのだろう-苦味を伴う束の間の幸福、という点において。 或いは、控え目なマジックリアリズム。2016/04/29

Takashi Takeuchi

15
『ANNAN』に続き美しい詩のような文章。もちろん翻訳が良いのもあるだろうが、原文を読んでみたいと強く思う作家の一人。妻子を捨てて国を渡り幻の酒アブサンを造る男と彼に魅せられた少年の物語。本作でも物語はさほど展開しない、謎は明かされず謎のままに終わる。クリストフのバタイユ作品は物語を追うではなく、詩的な文章が醸し出すを空気を味あう作品。アブサンの強いアルコールと毒に酔わされるような作品。2022/05/08

織田陽平

5
ニガヨモギ入りのアブサンは飲んだことはないが、当時こういった魅力的な酒が、確かに存在していたという雰囲気を楽しませてくれる作品。 全体としてふわっとしているので入り込めないと退屈に思ってしまうかもだが、物語を読むというより、霧のようなその世界に入り込んで酔うと楽しめる。読む際にはコーヒーとドーナツでも用意してどうぞ。2017/11/20

umeko

4
「アブサン」自体の魔性的な魅力ではなく、多くの人を虜にし、後に禁止されたという事実が持つ神秘性を、簡潔に的確に美しく表現されていたように思います。短い物語ながらも、尽きることのない甘美な世界が広がっていました。2011/02/15

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