感想・レビュー
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渡邊利道
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「大島」と「聖餐」のあいだで五年ほどの開きがあり、小説のスタイルが根本から変わる。亡き母の噂に惑わされる女性の遍歴譚。後半には女の影がいっとき薄くなり「死のう団」という音楽グループの話がせりああがって、どこへむかうのかと思うときょうだい心中を題材に悪の肯定へと向かう。秋幸シリーズを裏側から描いたようなテーマの符合がある。バンドの部分や、女が様々な人間と絡む性愛の世界など、後期の中上のはじまりのような感触もある。2016/06/02
