燕は戻ってこない

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燕は戻ってこない

  • 桐野 夏生【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 448p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087717617
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

【第57回 吉川英治文学賞受賞作】
【第64回 毎日芸術賞受賞作】

この身体こそ、文明の最後の利器。

29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。
子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。

北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。

『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。


頁の隙間から聞こえてくる、今の世界を保持するための骨組の軋み。
こういう小説と出会うことでしか、私達は私達の不都合な部分を見つめられない。
――朝井リョウ(作家)

女であること、産む性であることは、なんて悲しいのだろう。
ラストを読み、思わず溢れた涙の理由を、私は今も考えつづけている。
――小島慶子(エッセイスト)

新技術と経済・ジェンダー格差が交差するとき、恩恵を受けるのは男性だ。
被害をこうむるマイノリティの苦しみを、マジョリティの私がどこまで想像できるかを突きつけられ、たじろいだ。
――斎藤幸平(経済思想家)

読んでいる間、ずっと殴られるような感覚に襲われていた。
それは自分を含む大勢の人が、今この瞬間も世界に殴られ続けているのだという、気付きであり目覚めでもある、大切な痛みだった。
――村田沙耶香(作家)

【著者略歴】
桐野夏生(きりの・なつお)
1951年金沢市生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。2015年には紫綬褒章を受章、21年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。『バラカ』『日没』『インドラネット』『砂に埋もれる犬』など著書多数。

内容説明

北海道での介護職を辞し憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極め、未知の「生殖医療ビジネス」に誘われる29歳女性・リキ。バレエ界の「サラブレッド」としてキャリアを積み、自らの遺伝子を受け継ぐ子の誕生を熱望する43歳男性・基。その妻で、不育症と卵子の老化により妊娠を諦めざるを得ず、「代理母出産」という選択をやむなく受け入れる44歳女性・悠子。それぞれのままならぬ現実と欲望が錯綜する、ノンストップ・ディストピア小説!

著者等紹介

桐野夏生[キリノナツオ]
1951年金沢市生まれ。93年「顔に降りかかる雨」で江戸川乱歩賞受賞。98年『OUT』で日本推理作家協会賞、99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、『ナニカアル』で10年、11年に島清恋愛文学賞と読売文学賞の二賞を受賞。15年には紫綬褒章を受章、21年には早稲田大学坪内逍遥大賞を受賞。著書多数。日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ろくせい@やまもとかねよし

411
人間にとって生殖は義務か権利か。その解答を生物として生殖の大部分を背負う女性ら中心に思案させる。すべての人間が等しく生殖能力を発揮できない。にも関わらず、私たちの多くは生殖を簡単に手放せない。持ち出すは利己。慣習が優先された前近代では、個人より社会や家督の利己で生殖が義務的行為に。しかし個人主義の現代、技術進歩は生殖行為を個人の利己で発す権利へ変容。ただし生殖不能では他者の生殖能力を借りるしか術がない不条理を孕む。私たちの利己が志向するは個人の生か社会の生か。果たして宿命的な生殖に意味を見出せるのか。2022/04/12

修一朗

319
今は生殖医療技術の発達で同性愛カップルとか卵子凍結しておいてパートナーなしで子供を持てるとか選択肢が増えている。日本でだったら代理母ビジネスはこんな感じ,というリアリティで描かれていてとても面白かった。クズ人間の日高は別にして,登場人物には大体共感できるところがある。生殖ビジネスは犯罪と結びやすいし法制化を伴ってきちんと枠をはめながら進んでいってほしい。代理母や依頼主はそりゃいろんな思惑があるだろうけどもそんなことよりも生まれてくる子供は幸せになれる可能性が高くなるような体制づくりが大事だ。2023/01/30

まちゃ

319
女性たちの困窮、妊娠、出産を題材にした物語。ディストピア的で読み進めることが辛かったですが、最後まで読ませる桐野さんの筆力に脱帽。面白いとか、楽しいとか、とは違った読み応えの作品。女性の貧困や生殖医療について考えさせられる内容でした。直ぐに解決できるような問題ではないが、関心を持ち続ける必要のある社会課題なのでしょうね。2022/04/14

やっちゃん

267
まだまだ問題が山積みの難しいテーマでした。それぞれがかなりの決意を持たないと成立しない。結局は案ずるよりも産むが易しで救われた。居酒屋で下ネタ全開のりりこさんが最高。改めて自分の遺伝子を受け継いだ子供を見たくないのかと自問しました。2023/02/23

いつでも母さん

242
桐野夏生作品のラストはいつも私をゾクゾクさせる。その感覚がクセになり桐野作品を読んでいる気がする。『生殖ビジネス』確かに必要としてる方はいる。その気持ちも分かる。『代理母出産』を選択した草桶夫婦と、貧困からその母体となる事を選んだはずの29歳未婚・リキの出産までのあれこれ。夫と姑の考えには1ミリも共感できず、悠子の揺れる気持ちも嫌悪感。リキにさえ「ビジネスだったよね?」と何度も確認してしまう。それぞれがエゴの塊で、だからこんなラストを読まされるのか?せめて誕生したぐりとぐらが健やかに育ちますように。 2022/04/12

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