出版社内容情報
常軌を逸したエネルギーで全選考委員を圧倒し困惑させた、すばる文学賞史上、最大の問題作。「毛」をめぐり、不思議な力を持つ少女と錬金術師が暗躍する、髪と神の支離滅裂で命がけの戦いがはじまる。第37回すばる文学賞受賞作
内容説明
薬学部の学生・久野は、育毛と油脂の関連を研究する江藤教授に助手を任命され、かつての教え子である永田を紹介される。頭髪の薄い永田は乾性油によって人を魅了する光り輝く艶を頭部に作り出すことができた。久野は、永田の勤め先の塾で不思議な力を持つ女子中学生の荻と出会う…。第37回すばる文学賞受賞作。
著者等紹介
金城孝祐[カネシロコウスケ]
1985年、神奈川県生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。『教授と少女と錬金術師』で第37回すばる文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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めろんラブ
106
朝起きたら虫になっていたり(『変身』)、殺人の動機が太陽の眩しさだったり(『異邦人』)、不条理小説にはツッコミどころが満載。本作もそれに当たりそう。ただでさえナンセンスな不条理物に、すべるギャクを(おそらく確信的に)放り込んでくる為、その濃さに幻惑されてしまった。ワタシハ・イマ・ナニヲ・ヨンデイルノダと困惑のまま読了。ぺダンチックな佇まい、必然性を感じない強引な展開、ロリコンめいた価値観・・・と極私的なマイナス要素はあれど、阿呆力ごり押しの熱気に気圧された。小説と錬金術の関連を暗示した青き豪腕に脱帽。2014/04/18
けい
78
すばる文学賞受賞作品。図書館で偶然手に取って読んでしまいました。久々に読んだ訳が分からない作品、でも読み終わってしまったということは面白かったの?今もってなぞ。表題と内容の一致ぶりには笑った(初期の題は「完全な銀」?)ただ面白い発想の作家さん、次作は化けるかもってことで憶えておこう。2014/03/09
藤月はな(灯れ松明の火)
69
変テコワールドがアクセル全開で展開される怪作。水を操れる「水難」彼女の幸奈、黒焦げ死体になった患者をぽかすか、殴る救助隊員、処女膜を食べる萩ちゃん、赤い帽子を被った「神」で錬金術師な楊氏。悪魔的な風貌と芸術的なまでのグラデーション禿の持ち主、永井氏がアダムス・ファミリーのフェスターおじさんにしか変換されない・・・。そして育毛の神秘を追求しすぎたために痴呆茸を生やしてボケてしまったドレッドヘアの教授が導き出した神=髪三位一体説に爆笑しつつも萩ちゃんの秘密から一気に切ない小説に。えらい小説が出たものやで・・・2015/12/05
秋製
39
理解する間もなく話の流れが変わっていき、そのまま話が終わってしまいました。という感想しか出てこないです。2014/04/03
ばっか殿すん
30
なんかようわからんし、説明しろと言われてもぜったい無理!…なのですが、不思議と引き込まれて、面白かったです。。すげーよ!この本。。うん。でもやっぱりようわかんねぇ。2014/05/14