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彼が通る不思議なコースを私も

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  • サイズ B6判/ページ数 307p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715347
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

椿林太郎、元教師。本気で世界を変えようと思っている男。人は彼のことを「神の子」と呼ぶ──。人間がそれぞれ生まれ持つ「時間」(寿命)とは何か。生への根源的な問いを投げかける渾身の一作。

内容説明

友人がビルから飛び降りようとしている現場で、霧子は黒ずくめの不思議な男と出会った。彼の名前は椿林太郎。学習障害児の教育に才能を発揮する、優秀ですこし変わった小学校教師。霧子は彼に魅かれていくが、実は彼には知られざる能力があって…。生への根源的な問いを放つ、傑作長編。

著者等紹介

白石一文[シライシカズフミ]
1958年福岡県生まれ。出版社勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

79
白石さん、いつもと違ってエッチなとこがなくて…、これはいいですね。内容的にはキツネにつままれたような、えっどういうことって終わり方なんですが、全体的に愛情に溢れていて、読みながら安心できました。特に子供に対する愛情、虐待から救おうとする愛し方、マザーテレサのように人が死を迎える時を見守るというテーマに共感しました。誰にもこの人しかいないという人がいるはずだという哲学は、やはり白石さんならではですが。2014/03/07

Yunemo

64
何なんだろう、この読後感。夫婦の在り方? 違いますよね。ドロドロ感、互いの不信感の押し付け、まず今まであったこの感覚がありません。ある意味、メルヘンチック的表現とも言えるし。あまりに命題=人間の未知なる可能性、が大きすぎて、最後に夢の中、これで納得、こういう感じでいいのでしょう。「心の一部に鍵を掛けてしまえばいい」、この表現でいつもの作風になるのかな、との先読みもあったんですが。この点に関しては安堵感のある裏切りでした。真正面から見た教育問題と自身に意味づけて癒されて読了。でもなんか違うかなとの想いも。2014/01/13

風眠

62
学習障害を抱えて生きる子どもたち。そういう子どもたちのために、立ち上がるひとりの教師。子どもたちを取り巻く環境ごと受け入れ、改善しようと心を砕き、誤解や偏見をおそれず立ち向かっていく林太郎の行動は、ただ子どもを愛するということ以上の、慈しみと強さに溢れている。子どものことを「こうだ」と決めつけず、ひとりひとりの道筋に寄り添うことは、決して簡単なことではない。それは、林太郎の生き方に添う妻の霧子にとっても、簡単なことではないだろう。与えられた環境の中でベストを尽くす。「覚悟」とは何かを問われたような物語。2014/04/19

キムチ27

60
無茶苦茶読み易く、何者かが乗り移ったかのごとく、あっという間に読了。運命論でのうんちく学者白石作品にしては、観念論の展開が少ないせいもあるかな。ストーリーは霧子を中心に始まる。やけっぱちの果ての投身自殺騒ぎで知り合った林太郎はとてつもなく才能を秘め、神の子といわれる。発達障害児の教育に熱意を持ち、突発的な申し込みで霧子と結婚した後運動塾を次々と展開して行く。一方霧子も才能を買われ転勤。2人は別居をする羽目になる。林太郎には将来を予知する力があり、かつて失った女性と同じ香りを霧子に嗅ぐ。はて恋愛?教育論?2014/03/28

matsu04

55
最近の白石一文はストーリー性に拘っているのだろうか。今回のものも彼らしさは多少感じられたものの、以前のような力強さはなかった。初期の頃は、物語の展開とは全く無関係に、主人公がああでもなければこうでもないと延々思索に耽り、あるいは激しい性描写が突然展開されるなど、読んでいる方には何が何やら訳が分からなくなるようなところが魅力だったのだが••2015/01/05

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