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ホテルローヤル

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087714920
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ホテルだけが知っている、やわらかな孤独
湿原を背に建つ北国のラブホテル。訪れる客、経営者の家族、従業員はそれぞれに問題を抱えていた。閉塞感のある日常の中、男と女が心をも裸に互いを求める一瞬。そのかけがえなさを瑞々しく描く。

内容説明

恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。12年、『LOVE LESS(ラブレス)』で第146回直木賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

1431
第149回(2013年上半期)直木賞受賞作。7つの連作短篇からなるが、物語はいずれも釧路湿原の入り口に立つホテルローヤルを舞台に展開する。第1話を廃屋となったホテルから語りはじめ、時間軸を逆に遡行してゆく試みは秀逸。ホテルのオープンから通常の時間をたどる構成なら、個々の物語は同じでも、これほどの成功は得られなかった。それにしても、どの物語にも登場するのは薄幸な人たちばかり。したがって受ける印象はいずれも暗く、やるせない思いに捉われることになる。「ギフト」ではわずかに明るさを見せるが、それは遠い過去なのだ。2015/03/13

遥かなる想い

1183
平成25年/2013年上半期直木賞。 廃墟とも言える北国のラブホテルを通して、 男女の成れの果てを綴った短編集。 筆致はひどく冷淡で残忍な程に感情がない ように見えるが・・今の時代に、昔の短編集を 読んでいるようでなぜか懐かしい。 女性視点の、しかも悟ったような 男性への描写は、その存在を 否定したくなるほど辛辣で、 だが男性への夢を捨てたような関係は、 もしかしたら現代の男女間の病巣を的確に抽出して いるのかもしれない。 2013/09/14

zero1

984
悲しくも静かな性を描いた七つの短編。挫折や苦悩など、この暗さと重さがいかにも桜木の世界。舞台は北海道の釧路湿原近くにあるラブホテルという非日常の世界。交差する人たちを現在から過去へと逆回しに描写。各エピソードの重なりも作家のずば抜けた力量を証明している。その点は「その日のまえに」(重松清)を思い出した。桜木は日陰にいる人たちにスポットライトを当て、描き出せる稀有な作家。149回直木賞受賞作(後述)。恩田陸、湊かなえ、原田マハというライバルたちに一歩も二歩も差をつけた完成度。見事と言うより他ない。2019/09/25

にいにい

898
初桜木紫乃さん。「ホテルローヤル」を絡めて、淡々と男女関係が描かれる7篇の連作短編集。男女の思惑の微妙な違い、それぞれの打算、無邪気さが複雑に絡められる。微かな重苦しさと気だるさ、楽しい読書じゃない。なかでも、「星をみていた」が重い。降りかかる不幸な出来事をサラッと受け流す、いや、不幸と感じないミコの涙と正太郎の対応が印象に残る。読むのに気力がいる一冊。2014/09/15

ミカママ

834
大切な友人の厚意で手に入った作品。全体が繋がっていないようで、連作になっているところがいい。作品に出てくる女性はみんな少し孤独で、それでもたくましい。ところどころ男性に翻弄されちゃいながらも、ちゃんと前を向いて生きている。「星を見ていた」が私的には最高。毎日ぼろ布のようになって働きながらも、家に帰ると毎晩10歳年下のご主人に愛される60歳のミコちゃん。私には絶対無理、と思いながらも、どこかミコちゃんの生き方がうらやましかったり。一度目でこれだけ好きだったので、再読したらまた違う良さが見えてくるような作品。2014/09/17

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