出版社内容情報
奥泉光による音楽ミステリーの新しい挑戦。
虫への〈変身〉を夢見た伝説のサックス奏者。彼の行方を追い求めた先に〈私〉が見たのは─。カフカ『変身』を通奏低音にして蠱惑的な魅力を放つ、音楽ミステリーの新しい挑戦。もう一つの代表作。
内容説明
話は学生時代、35年以上前にさかのぼる。サックスプレーヤー通称「イモナベ」は『孵化』と『幼虫』という二つのライブを全裸で演奏して以降、精神に変調を来したとの噂とともにジャズシーンから消えてしまったはずだった。ところが1990年、小説家になりたての私は『変態』と題されたライブのチラシを見つけてしまう。そして現在―。もう一度イモナベの行方を尋ねた「私」が見たのは、絶対にありえない戦慄の風景だった。
著者等紹介
奥泉光[オクイズミヒカル]
1956年生まれ。国際基督教大学教養学部人文科学科卒。同大学院博士前期課程修了。1986年、すばる文学賞の最終候補作『地の鳥天の魚群』を「すばる」に発表しデビュー。主な著作に『ノヴァーリスの引用』(第一五回野間文芸新人賞)『石の来歴』(表題作で第一一〇回芥川龍之介賞)『神器―軍艦「橿原」殺人事件』(第六二回野間文芸賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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