月は怒らない

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  • サイズ B6判/ページ数 340p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087714159
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ミステリアスな女と男3人の四角関係の果て
化粧もしない。服も地味。美人でもない戸籍係の女にどうしようもなく魅かれていく3人の男。その理由は? 男たちの視点を通して、女の正体が徐々に焙り出される。人間の繋がりの意味を問う挑戦作。

内容説明

多重債務者の借財の整理が生業。仕事で訪れた市役所でこの女を一目見た瞬間、声を失った―。バーで女がチンピラに絡まれて目の前で転んだ。助け起こした瞬間、女の顔に釘付けになった―。勤務先の交番の前の市役所に自転車で通う女。結婚しているくせに私はいつもその女を探している―。誰にも期待しない。夢なんて持ってない。だから生きるのラクだった。そんな女になぜか惹かれていく、3人のロクデナシたち。垣根ワールドの新境地。

著者等紹介

垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞し、史上初の3冠受賞に。05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Satomi

77
多重債務者の整理を生業とする梶原。大学生の弘樹。交番勤務の和田。3人の男を翻弄する見た目は地味な公務員の女、恭子。3人の男と1人の女が織り成す不思議な世界。身悶えるような奪い合いでもなく、悪女っぷりに嫌気がさすわけでもなく、とにかく不思議な世界なのだ。恭子が毎週日曜日に公園で会う記憶障害の老人。3人と付き合いながもどこか孤独な恭子の境遇を思うと老人とのやり取りがやたらと哲学的に感じられる。不思議な物語でした。2017/07/10

ゆきねこ

48
結局、恭子の辛い幼少期は何だったんだろうか。男に節操がなくなるほど、人格が壊れているのを梶原の何が救ったのだろうか。今日この何がそんなに魅力的なのだろうか。よくわからない。登場人物誰一人として共感できなかった。特に、京子がダメ。こんなに冷たい人間なのに、警官の和田とは数時間もおしゃべりできるのね。短期記憶障害を持つ老人の登場もよくわからなかった。ナイフについては、初めて出た時から、何か悪いことが起こると確信していました。垣根涼介さん、スランプの時の作品らしい。自分を投影しているのかも。そんな時もある。2020/09/13

Syo

44
今の日本での唯一の抜け道は、高学歴を手に入れ、永久に故郷を離れることを含めて、今後の人生の選択肢を数多く手に入れられるしかない。 生き方。 考え方。 心の持ち用。 他人のせいにはしない。 月は怒らない…。 素晴らしい。2019/08/24

kowalski

43
垣根さんと言えば、やっぱり悪漢小説を書いて欲しいですよね。マニアックでエロいところが惹かれるところだと思うのですが・・・。期待しない・夢を持たない、だから生きるのが楽だったという女性に3人の男たちが惹かれていく物語。恭子さんも意外と面白い人物なんでしょうね。警察官の和田さんの行動はお茶目で結構面白いですね。もう少し 困った事になってほしかった様な気もします。2012/03/14

そのぼん

36
魔性の女・・・でもなさそうなのに、何故かモテる彼女。三人の男の人がそれぞれ想いを寄せている感じでした。彼女の魅力がわからなかったのか、はたまたストーリーの出だしが重い感じだったせいか、物語の世界に入るのに時間がかかりました。2012/10/06

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