太陽の庭

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087713282
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

一般人にはその存在を決して知られることなく、政財界からは「神」と崇め奉られている、永代院。屋敷内では、跡目と寵愛を巡る争いが絶えず、子供たちは常に死と隣り合わせの生を生きている。愛と自由を知らない「神の子供たち」が「最後の日」に見るのは、神の祝福か、それとも警鐘か―。『花宵道中』の宮木あや子が描く、現代の“宮中小説”。

著者等紹介

宮木あや子[ミヤギアヤコ]
1976年神奈川県生まれ。2006年「花宵道中」で第5回「女による女のためのR‐18文学賞」大賞と読者賞をダブル受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

らむれ

64
隠されたお屋敷、妻と妾、美しい兄妹たち…ドストライクな設定!装丁も綺麗で、お耽美◎それぞれの登場人物の心の屈折なんかをもっと掘り下げたら、なかなかの大河ドラマになりそうな予感。炎に包まれる永代院での仕打ちに疑問を呈する泉水―悪意が無くても、自分と違うということで人は不安になり、異物を排除しようとする。人間のプリミティブな悲しい本能は、ネットの時代になっても変わらず。「日本人は戦争で神を失った」っていうスタンスはわかるけど、何かしら宗教性を持つモノは今の日本にもたくさん存在すると思う。お金、流行、SNS、→2015/06/26

ねむねむあくび♪

63
図書館の本。宮中小説…?というよりは、カルト宗教的な感もあり。幻想的で妖しくて。耽美的な閉ざされた世界観が面白かったのだが、後半が呆気なくて残念…。雨の塔は、どうなんだろうなあ。2016/06/24

なゆ

47
想像していたとおり、濃密かつ幻想的で謎めいて華麗な一族の話。世間に知られることなく、広大ながらも地図にも載らず、住所も戸籍もない永代院。正妻、妾、跡目争いなど、いつの時代かと思わせる。前半は、その内側のねっとりとした独特な世界をあじわうのだが、後半ガラリとムードが変わり、あれれっと思いながらも目が離せなくなった。秘められた存在に対する一部マスコミや好奇心だけで動く世間の反応がちょっと怖い。なんだろう、永代院は好きではないけど、哀しい気持ちが残った。『雨の塔』のあの岬の学校とも密接に関わりがあったとは~~。2014/07/15

うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)

36
ある階級の者達の間で「神」と崇められている「永代院」。その存在が世間に明らかにされることは決してない。そんな外界から隔離された「栄代院」にまつわる物語。「雨の塔」の姉妹編。権力の中枢に位置し、世界を欲しいままにするだけの力があるはずなのに、その力は発展させていく為ではなく「永代院」の存在を秘匿する為だけに使われているように感じました。そういった閉塞感を描くのが実に上手い!終わりがあるからこそ美しい。一つの時代の終焉をしかと見届けました!★★★★2010/08/10

*maru*

34
宮木作品5冊目。日本地図に載っていないお屋敷“永代院”。住所登録のないお屋敷と、戸籍のない住人たち。白い親子が暮らす時の流れが止まった西の家。一夫多妻制、妾、筆下ろし、跡継ぎレース等々…非常にドロドロしております。宗教的で神話的で幻想的な、現代版大奥宮中絵巻的な物語。優美で儚い百合の香りに包まれた『雨の塔』と、血の匂いが絡み付く『太陽の庭』。岬の学校と永代院、どちらも閉鎖的だけど『雨の塔』の息苦しさの方が好きだったな。和琴と駒也で最後を締め括ってもらいたかった。それだけが残念。2018/02/01

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