内容説明
民衆に人気のある平民大臣・ネッケルの罷免により、群集の怒りは頂点に。弁護士カミーユ・デムーラン率いる暴動がパリで勃発し、バスティーユが民衆の手によって陥落した。しかし、勝利の余韻も束の間、なかなか進展しない革命に、パリ市民から不満の声が上がり始める…。
著者等紹介
佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学卒業後、東北大学大学院で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遥かなる想い
162
舞台はバスティーユへ。 ネッケル解任に端を発した 民衆の怒りはデムーランの 発言により、増幅…誰もが 戸惑いを覚えながらとどまることを知らない… ミラボー、ロベスピエールのコンビが絶妙で存在感が抜群。 もう少しルイ16世側を描いてくれると…とは 思うのだが。2014/11/16
ヴェネツィア
31
デムーランやロベスピエールの描かれ方は、矮小に過ぎる感じもするが、これがこの著者独特の物語の方法なのだろう。 また、これまでに思っていたほどには革命は一気になったのではなく、バスティーユ以後にも様々な確執があったのだ。 2012/01/26
ぐうぐう
18
バスティーユ要塞が陥落し、革命的事象が現実化する。その事実は、人々を歓喜させると同時に、戸惑いも招く。「ほんの少し前までは、革命が本当に起こるなどとは考えていなかった」。革命がリアル化したことで、それぞれの思惑が露呈していくのだ。勢いづくロベスピエールと、情勢を俯瞰し慎重に構えるミラボー。早くも二人の間に乖離が生まれる。革命の熱気は、人を逸らせ、惑わせ、その矜持を試す。2013/11/28
朝比奈さん
16
フランス革命って結構行き当たりばったりに起こったの?(^_^;) そして馬鹿にされているけど、女は強い。国王一家をパリへ連れてきちゃったよ。 そしてミラボーにメルシー伯が接触。 ちなみにBGMは「1789」で読んでいたので、バスティーユの楔を切ったのはロナン・マズリエということに私の中でなっているw2017/10/24
あおさわ
15
ミラボーに焚きつけられ、パリはデムーランをリーダーに動き始める。いざバスティーユが陥落され理想に燃えるロベスピエール、そして王政を守りつつ貴族を倒すべきと画策し、また議会が特権となることを危惧するミラボー。ミラボー伯の言ったことが正しかったと、いずれロベスピエールは思うのでしょうか…。理想と現実が既にじわじわと分かれ始めています。デムーランはインテリぶってるけどかなり単純猪突猛進タイプ。「ベルばら」のベルナールのモデルだった彼ですがどのような人生を送ることやら。このままだと突っ切ってすぐ死にそう。議会も似2011/09/25