内容説明
童貫岳飛、全軍躍動を命じ、智多星、乾坤の策を練る。烈火愴風、江南に満ち、万骨溢れて、功成りし者なし。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年唐津市生れ。中央大学法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を、91年『破軍の星』で柴田錬三郎賞を、2004年『楊家将』で吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』全19巻で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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納間田 圭
121
北と南の戦火が…終結する章。梁山泊にとってその戦の最大の狙いは…宋の国力を削ぐこと。全ては…新梁山泊が宋に勝つための布石だった。呉用こと趙仁が…がんばるがんばる。やがて新梁山泊の領土は大きく広がり…さー準備万端。 なんてたって…出てくるカリスマ宗教家が凄過ぎ。不気味で…気色悪い。自らの血を吸わせ…信ずる者の心を掴む。白い装束と赤い号旒が…象徴。大地を埋め尽くす信徒たち70万の人の絨毯。まったく無抵抗のまま…血が流れ大地が赤く染まった。信徒たちが紡ぐ”度人”が…ついに終わった。「おい趙仁…覆面をとれ‼︎」2022/12/17
榊原 香織
56
全15巻の5 呉用どうしちゃったの、の巻。 旧梁山泊の生き残りの面々も皆老けてきた2021/12/28
Y2K☮
38
生は苦痛だから死んで楽になろう、殺して楽にしてあげよう。そんな宗教は断じて認めない。だが教祖である方臘も実はそんなもの信じていない。彼の決起した理由は国への不信、権力への侮蔑、そして童貫が率いる最強の禁軍を倒したいという私的野心。志も理想も皆無。故に何十万の信徒を死なせてもどこ吹く風。いや違う。人生に何も期待できない貧しい人々に彼は生き甲斐を与え、虫けらの様に死なせた。その命の重みに本当に無頓着な男なら誰もついていかない。こんな風にしか人生を充実させられなかった哀しみ。真の敵は別にいる。皆分かってるのに。2017/10/11
maito/まいと
17
楊令がついに動きだし、瞬く間に梁山泊が拡張。呼延灼ら古参メンバーの劣化著しいのがすごい気になるのだけど(涙)そして方蝋編、完結。強烈なキャラクターで、梁山泊と交わらないとわかっていながら、どこかでつながらないかなあ、と思わせるほどの存在になってしまった。石宝があと一歩で童貫に迫るのも、どこか及ばないところも、惜しいと思わせるツボがわかってるわ、北方御大(笑)その方蝋が最期に提示した国・権力という存在への疑問が、何だか呪いのようでおっかない。梁山泊が宋を倒すだけの存在でいいのか、焦点になりそうだ。
calaf
16
北も南もようやく決着がつき、いよいよ次の段階へ。ただし心の問題は、癒えるのに時間がかかるのかも...そしてその間に梁山泊軍は力を蓄える...2017/06/06