内容説明
ロンドンの貧民街、ブルーゲートフィールズを流れる下水道に、金髪少年の死体が全裸で流れ着いた。検死の結果、遺体は貴族の子供で、しかも梅毒に罹っていたことが判明する。16歳の少年にいったい何が起きたのか。すぐに容疑者は特定されたが、そこには階級の壁という落とし穴が隠されていた―ヴィクトリア朝を舞台に、トーマス・ピット警部夫妻の活躍を描く英米の大ベストセラーシリーズ。
著者等紹介
ペリー,アン[ペリー,アン][Perry,Anne]
1938年、ロンドン生まれ。ヴィクトリア朝を舞台にしたミステリ・シリーズで知られるベストセラー作家。時代や風俗の特性を巧みに生かし、読者を作品世界に引きこむ筆致には定評がある。2000年、短篇「英雄たち」でアメリカ探偵作家クラブ(MWA)最優秀短篇賞受賞
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感想・レビュー
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鐵太郎
8
「娼婦殺し」を読んでこれを探しました。あちらより数年前のトーマスとシャーロットのピット夫妻事件簿。16歳の青年の全裸死体が下水道から発見されます。姿からいって貴族の子弟らしい。しかも殺人らしい。いったい誰が、何のために彼を殺したのか。やがて、重要な容疑者が特定され、裁判で死刑判決が出ます。本当にあいつが犯人なのか。どうなのか。 ──面白い、これ。唯一の難点は、決着がついたあとでのエピローグ部分があまりに短いこと。お話的にはもっと余韻が欲しいね。2016/12/21
颯奏
4
19世紀ロンドンが部隊の警察小説。事件を追いかけるのは警部とその妻。現代日本人には馴染みのない階級社会の様子が描かれているのでお話とは関係ない部分でわたしには興味深かった。正義感が強く真面目なピットがもう少しむくわれてくれるといいのにと思います。奥さんが奔放で強い。2015/11/11
左近
2
ヴィクトリア朝ロンドン。スラム街の下水道で発見された少年の全裸死体。被害者は貴族の長男で、梅毒に感染していたことが判明する…出版は1984年、邦訳は2004年。昔、バイト先の人が読んでいた記憶がうっすらあり、図書館で見かけたので何となく借りてみた。ピット警部シリーズだが、むしろ、上流階級出身ながら庶民階級の警察官に嫁いだ妻、シャーロットの活躍が目立つ。解説によるとシリーズの他の作品もそんな感じらしい。分類するなら広義のミステリかな。それよりも、何が驚いたって、作者の経歴が衝撃すぎる。にわかには信じがたい。2022/09/10
じょじょ
2
時代的な事なんだろうけど あり得なさ過ぎてイライラする。外国の差別意識はえぐい。2019/03/07
ケルトリ
1
作者の過去を知って驚愕、からの読書。 導入部分が素晴らしくよくてすぐに入りこむことができた。2019/03/05