内容説明
世界の海上に続発する奇怪な海難事故。長く、紡錘形で、ときに燐光を発し、クジラよりはるかに大きく、異常な速力をもった“なぞの怪物”が目撃されていた。調査に向かったパリ科学博物館のアロナックス教授たちは、ついに日本近海で、この怪物に遭遇する―。自由と海を愛するネモ船長と、超潜水艦ノーチラス号に導かれ、海底に展開する大冒険。いまよみがえるヴェルヌ不滅の名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
31
93年(平成5年)の880円の3刷。初版はその2か月前だから根強い人気がある。本書のカバーは集英社ヴェルヌ・コレクションの中でも、或いは他社の同書の中でもピカ一(但し、メビウス作品の流用)。文庫としては2分冊すべきテキスト量だが、むりやり一冊で刊行して怒涛の589頁。有名すぎるネモ船長とノーチラス号の海洋冒険譚。語りはパリ自然科学博物館のアロナックス教授。ムー・ネタ満載の海洋博物学と、海洋生物学の蘊蓄(当時の知見)がびっしり書き込まれている。二万里(8万km)の旅の幕引きはややあっけないかな。★★★★☆☆2022/06/24
miroku
18
大らかで良いなあ♪ ほんと、「冒険」と言う言葉が似合うよね。2010/10/19
テト
15
長編物語で、地球各地でのイベントがハラハラドキドキしたり、美しいものと遭遇したり、世界にのめり込んでしまった。なぜ探索を行うかということもテーマのひとつではあると思いますが、海への探索は19世紀後半の当時だけではなく、今でも未解明なフロンティアであることを思うと、単なる空想科学小説を越えた魅力を感じた。2022/10/03
Lesen
14
海上で続く、事故。目撃された謎の怪物。その正体は??パリの学者が解明に乗り出す。そして、海底冒険への始まり。テクノロジー、科学、海の生物の事が学者の記録の様に描かれている。海底の神秘、不思議な人物ネモ船長の魅力。そして、余韻を残すラスト。もう少し、この冒険をしていたかった。2013/01/16
naotan
12
魅惑的な海底旅行の描写はさることながら、登場人物がすごくいい。主人公も、忠実なコンセイユも、気のいいネッド・ランドも。この3人のその後を読んでみたいなあ。2015/05/11