内容説明
キリストの生誕年を起点とする西暦は6世紀に考案されたが、普及するのに1000年かかった。この人類共通の時間の尺度の登場によって初めて、通時的・共時的なものの見方が可能となった。シュリーマンによるトロイアの発見、トムセンによる先史時代の提唱。過去の扉が開かれ、歴史が発見の舞台となる。そして、現代科学への道…。人類の知性が獲得した成果を壮大なスケールで語る百科全書的ノンフィクション完結編。
目次
第4部 社会(過去の扉を開く;現在を概観する)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
6
百科全書的な知の歴史もこれが最終巻。最後はこの本らしく、歴史哲学の歴史から始め人類がいかに過去を発見したかを綴り、やがてマルクスとフロイトという二人の巨人を経て、物理、経済、統計といった現代諸科学の誕生に筆を進めていく。実は昔の西暦では必ずしも1月1日が一年の始まりではなく、例えば2月15日から新年な時もあった、と相変わらず雑学も盛りだくさん。人類学の創始者モーガンと、やはりシュリーマンが今巻は見所だろうか。人類の知の歴史を概観する上でこんなに面白い本はそうそうない。図書館館長というのも納得の名著2012/03/03
冬至楼均
1
「歴史」の起源を探究心におくのは(個人的には異論があるけど)全体のテーマとは見事に合致している。2014/05/12