感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
表題に反し、前半分は生物学論争史である。ディオスコリデスの著した『植物誌』が、著者の意志に反し聖典化された結果、植物学は千年近く植物誌の注釈になってしまった。新発見された植物も全て植物誌の分類に当てはめられ例外は無視された。動物学では『フィシオログス』がそうで、不死鳥や蟻獅子(獅子頭蟻体)等の「動物」が紹介されていた。それら「神話は、事実と異なり、訂正ができなかった」。新世界との遭遇も解決策にはならず、コロンブスすら「三人のセイレーンと遭遇したと報告している」。そこからゲスナー、ダーウィンへと繋がっていく2022/01/03
白義
4
フーコーの言葉と物やマクルーハンの副読本にも使えそう。植物学と生物学の発展から分類、進化という概念の変遷を語り、印刷技術と書物の歴史から知による共同体の誕生と拡大を語る。歴史ノンフィクションの偉大な傑作。ブアスティンは幻影の時代のイメージが強いけど、大発見シリーズのような歴史ノンフィクションの方が面白いと思う。知の発展と拡大の見事な描写に酔いそうになる2012/03/03
冬至楼均
1
リンネの打ち出した種の概念が如何に革新的だったか。2014/05/11