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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
432
本書は第5回(1981年度)すばる文学賞を受賞。当時の審査委員たちには新しい可能性を持った文学との期待があったのだろう。ここには確かにいくつもの問題性が見いだせる。ただ、残念ながらそれらはいかにも中途半端な感を否めない。父親が代表する高度経済成長期の価値観と、「ぼく」や弟の置かれていた現実のそれ。そもそも「ぼく」たちには、反抗すべき世界も見いだせないし、当然のことながら全く別次元の世界観に立っているわけでもない。すなわち「ぼく」たちは、サリンジャーのホールデンたりえなかったのである。そして、この先はない。2020/04/22
takaC
121
最近書かれた本だと思って読んでいたら最終ページに「この作品は昭和五十七年一月、集英社より刊行された。」と書かれていて驚いた。しかしそういうことなら色々と腑に落ちるな。でも何が「ゲーム」なのかは分からなかったけどね。2013/08/21
はらぺこ
70
映画は食事のシーンのみしか知りませんが、長渕が主演のドラマは何度か観た事が有ったので懐かしんで読みました。『トルコ行進曲』の話を期待したんですがドラマ版オリジナルなんですね。ドラマを観たのは子供の頃やったからかコメディーのイメージがあったんですけど、小説を読んでみるとイメージが違いました。まあ実際問題、ファンタジーやないねんから、これが現実やとは思いますが『結局今までの事は何やったんやろ?』と最後には感じました。2012/06/26
シブ吉
56
成績優秀な兄の慎一と、勉強の出来ない弟の茂之。受験が迫る弟の前に、これまでとは一味違う「型破りな家庭教師」がやって来た。暴力行為も辞さない家庭教師の指導に、やがて、弟の成績がジワジワ上がり始める、、、。兄の眼を通して進んでいく、今から三十年以上前の物語。当時、映画化もされた際の家庭教師役が松田優作さんでした。本書を読みながら、家庭教師の姿に松田優作さんを浮かべて読了。現在では有り得ないお話と思われる点も多く、好き嫌いが別れるかと思いますが、当時の空気感が漂う作品なので、個人的には好きな作品でした。2013/03/23
らむり
40
嵐の桜井翔さん主演ドラマの原作本。暴言暴力家庭教師と、イジメられる弟、頼りない両親。でも家庭教師の暴言は妙に正論で、共感できるところも結構あった。2013/04/26