集英社文庫<br> フェミニズム殺人事件

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集英社文庫
フェミニズム殺人事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087498929
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

南紀・産浜の高級リゾートホテル。待遇、料理が抜群で、選ばれた紳士淑女だけが宿泊できる。作家・石坂は執筆のため、このホテルに滞在した。夜ごとのディナーとお洒落な会話、滞在客は石坂の他5名。会社役員夫妻、美貌のキャリアウーマン、地元の名士、大学助教授だった。サロン的雰囲気、完全密室の中で、三人が次々と殺された―。奇妙なトリックの謎を解く、本格推理長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

88
ひと昔前の推理小説という印象を受けました。その分、推理小説の古典的フォーマットになぞらえているのがわかります。トリックなどは甘いけれども、基本的な推理小説なのでそこそこ面白い。フェミニズムと銘打っていながらも、フェミニズムが嫌いなのだろうと思わせるのは筒井サンらしいところだと思います。良くも悪くもまとまり感がありますね。2017/05/05

そうたそ

28
★★☆☆☆ 著者が1ヶ月ほどでササッと書いてしまったミステリ。著者によるミステリとしては「ロートレック荘事件」の陰に隠れてしまっている感じもするが、その理由がよく分かるようなパッとしない内容だった。昭和の量産型ミステリのような内容でトリックメインでない感じもする。フェミニズムというものをいじくりつつ、ライトなミステリを書いてやろうかというような試みだったのだろうか。結末も驚くほどのものでもないし、ストーリーもありきたり。著者の作品を読破したい人でもない限りは、わざわざ薦めるほどでもない作品。2017/11/22

たぬ

27
☆3 んん~ちと冗長かなあ。筒井作品にしては毒もほとんどなくて物足りない。確かに急に服のレベルがガン上がりしていれば気づく人は気づくし勤務時間が増えたのでもないならそっち方面を怪しむ人はいるだろうね。それはともかくオーナーに対しても宿泊客に対してもまた会いたいと思えるホテルって素敵。2021/12/31

Maasan

6
『文学部唯野教授』以来の筒井康隆。ミステリーとして安定した面白さも勿論あるが、主眼は恐らくそこにはない。本書はフェミニズム理論を基調としたある種の思想小説である。「資本主義に対する対抗公共圏とは『親密圏』とも言うべき家族(妻や娘)である。しかし家族は今や、消費経験だけの場となっている。必要なのはその商品支配に抵抗すること」しかし登場する女性達は正にその資本主義的・男性中心主義的消費文化に飲み込まれ翻弄され命を落とす。ラスト「全員が、全員を愛したんだ」の言葉に『親密圏』の存在しうる可能性が儚く示唆される。2018/12/01

ゆみこ

4
う~ん… 2020/05/16

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