集英社文庫<br> 獏の食べのこし

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集英社文庫
獏の食べのこし

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087498882
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

地上の人口は増えているが、獏の数は減っていて、獏の食べ残す夢の量はどんどん増えていっている。闇の少し残る明け方の路地裏やどう見ても女の人の顔に見える天井板の木目の中に、あるいは赤ん坊が握りしめているこぶしの中に獏の食べ残しは潜んでいる。微毒を含有する夢を噛みつづける、夢の依存症となった夢中毒者、中島らもの愛と世界をめぐるエッセイ集。

目次

ロックンロールの呪い
ほうき片手にビートルズ
フリフリ’68
嘆きのギター
「珍」を語る
しあわせのしわよせについて
体温のない街
なかったこと
デッドエンド・ストリート
寒波と楽園
サンタが坊やにキッスした
僕はいかにして楽天家になったか〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

78
中島らも氏、1988年頃のエッセイ集。タイトルが面白い。人類の人口は増えているのに夢を食べるという獏の数が減っているぶん獏の食べ残しは増えているのだという。そしてその食べのこしは街中に転がっているそうだ。感覚が研ぎ澄まされ過ぎていた氏はいつもよく見えていたに違いない。この本はそんな氏の目線で見て感じたことが描かれている。今のネット社会を氏がみたらどのように感じるだろうと思った。本書の中にあった「体温のない街」を読んでそんなことを考えた。2017/10/06

hope

39
★★★★ らもさん15冊目。何の役にも立たない、うだうだのエッセイ(褒めてます)。奥行きのある薀蓄と荒唐無稽なホラ話、その曖昧な境界も愉しい。ゆるっと半酩酊のような気分で読んでると、不意に胸に刺さる言葉に出会う。それは雑多な人々の乗る電車に揺られている時に、急に隣の席に美女が座ったようなハッとする感覚。笑  そして名言のモットー。《一、今日できることは明日やる。 一、苦しいことは分かち合い、楽しいことは独り占め。 一、運が悪くても死ぬだけだ。》 らもさん、ありがとー、しかと承りました!2019/03/20

puu

20
再読。1989年刊行。30年以上前の本とは思えない。時代は進むが人間の本質なんてそれこそ縄文時代からかわっていないのだろう。するどい考察と分析。そして先見の明。定期的に再読したい作家。「かすみを食っては生きていけないが、たまにはかすみも食ってみろ」。自分にとっては中島らもと村上春樹はずっと再読していく作家である。2022/02/07

マッキー

16
本当に読んでて飽きない。酒の話、恋愛の話、薬物の話、仕事の話、どれをとってもユーモアにあふれている。2016/07/02

0607xxx

12
中島らものエッセイを読むと、いつも幅の広さに驚かされる。そして、面白い。いつもより真面目な気がしたのは、酒を抜いていた時期だからなのね…納得(笑)2016/09/26

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