内容説明
“人生をうまく生きる人というのは、楽しい口実をたくさん考えつく人である。”胸弾むとき、心さびしいとき、人生のディテールで思いがけない美しさを発見し、まいにちバラ色で暮らすために。少女のロマンチックさとオトナの厳しい視力を合せ持つ著者のとっておきのアフォリズムいろいろ。
目次
1 この人生へ、ようこそ(人生をおいしく;魅力ある人たち;人間てもんは;独りのとき;やさしさの匙かげん;おつきあい読本;世間ルール・ブック)
2 男と女の交差点(女性学原論;男の輪郭;女の胸のうち;男のいる風景)
3 恋愛について(恋の誕生;愛のあじわい;愛の現在形;愛のかたち;恋のテクニック;そして、さよならを)
女性学講義 女の生理学
4 ホームスイートホーム(結婚経由夫婦行き;家庭劇場;家庭運営仮免許;夫のつぶやき;女房のささやき)
女性学講義 女の言語学
5 もう一つの人生論
6 まじめな顔で
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
69
おせいさんの作品から選りすぐったアフォリズム。人間臭さが感じられるのがいいですね。心から文章を書いているのがわかります。だからこそおせいさんの作品に惹かれるのだということが改めて実感できました。2018/08/16
おさむ
28
田辺さんの作品の中から選りすぐられた箴言集。朝日新聞の折々のことばの鷲尾さんと同じく大阪人らしい、人臭くあたたかい「ハートから出た」言葉が多く、ほっとします。イチオシのことばは「人生そのものは無味乾燥であるが、味わう人の舌によって、ちがう味が生まれるのだ」。2015/09/12
団塊シニア
21
筆者の肉声が聞こえてくる内容です。作品のなかで語られた言葉だけに重みがあります。2013/06/23
橘
10
「人生を生きるのに、愛するもの、好きなことを一つでも多く増やすのは、たいへん、たのしい重要なことです」田辺聖子さんの小説から抜き出された格言集。他の作品も読みたくなりました。「ハイ・ミスざかり」の項が為になりました。ハイミス自体は死語だけれど、わたしも紛れもなくここにあるハイミスに含まれるので(この生き方しよう)と心に決めました。でも、「目の前の草だけ抜いてたらええねん」という感覚も覚えていたい。2022/01/15
nemunemuanyo
9
何度目かの再読 珠玉のアフォリズムが沢山収められていて 読むたびに心にすーっとはいってくる 今のように生きづらい世の中では特にこの本から得られるものは多いように思う 「自己愛のない女 なんて匂いのない花のようなもの」には おおいに励まされたし「人は自分が愛したもののことは忘れても 自分を愛した人のことは忘れない」こういう事をさらっと言ってくれる田辺聖子先生が好きだ そういう思い出につい浸ってしまう あの世にもっていけるものは 温かな思い出だけとか 吉本ばななも言っていたっけ 2020/09/17