集英社文庫<br> 追跡―一枚の幕末写真

集英社文庫
追跡―一枚の幕末写真

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  • サイズ 文庫判/ページ数 355p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784087493856
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

幕末戊辰戦争の最終戦・五稜郭の戦い前夜、箱館で写された一枚の写真。仏軍人と幕府士官、それぞれ4人が写っていた。8人によって醸しだされる何ともいえない信頼と親しみの雰囲気。いったい彼らは何を話したのだろうか。日本人武士とガイジンとの束の間の出会いに秘められた歴史の影にはナニがあったのか―。一枚の写真に写された男たちの会話を聴きとるために追跡が始まった。一枚の写真が明かしたもうひとつの幕末とは果して何か。

目次

1 二枚目のあの一枚
2 たそがれのパリ
3 慶応四年四月十二日
4 スフィンクスに乗ったサムライ
5 彫まれた墓碑銘
6 ブリュネの末裔
7 燭光
8 詩と真実

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シャル

6
函館の記念館で見つけた一枚の写真。箱館戦争に参戦したフランス人軍人たちと共に写る日本人たち。彼らの足跡を追いかけ、あまり語られることのない幕末と明治、そしてそこに絡むフランス、パリの姿を浮き彫りにしていく。特に印象的なのが箱館へとやってきたフランス人たちの動機の根底で、写真と気球、そしてヴェルヌまで絡めた冒険の時代であったという説は面白い。日本人たちも生き残った後もパリで、日本で幾度と無く絡みあうそれぞれの関係も興味深い。子孫の話を聞くという歴史と物語、そして史実と事実の境界線が曖昧な時代だからこその一冊2016/06/10

さっと

3
一枚の幕末写真が作家を突き動かした-戊辰戦争の最終局面・箱館戦争直前に撮られたと思しき日・仏八人の軍人の集合写真。親しげに見つめ合い、足を組み、サーベルをさげ、どこか誇らしげにうつるその姿はたしかに異彩をはなっている。日本・フランス両国をまたにかけた取材で明らかになる八人の素性。その工程はまさしく「追跡」というにふさわしい。後年、勝海舟は語りすぎたと言われるが、逆に、この八人は寡黙すぎて、著者の取材に頭が下がる。ちなみに、この写真はwikiで「田島応親」と検索すると見られます。(ただし、ネタバレ注意!)2013/05/19

misui

1
何気なく読み始めたらこれが大変面白かった。一枚の幕末写真の調査から、それが箱館戦争の際に撮られたものであって写っている人物を追ううちに日仏の交流史が浮かび上がり、彼らのその後や子孫の人生が見えてくる。地道な調査を経て教科書的ではない生身の歴史の手触りをよく感じさせくれた。ちなみに古い本なので今は調査が進んでかなりのことがわかってるそうな(wikipediaで確認)。2020/09/21

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