内容説明
「みなさん、おはよう。わたしが、きょうからみんなの先生ですよ」と新しい先生がいった。時間はちょうど9時だった。その女教師は“最初の授業”で、いったい何を教え、そして子供たちは、23分間でどう変わったのか―?自由とは、国家とは、教育とは何か、読者ひとりひとりに問題を提起する。やさしい英語の原文を巻末に収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
134
学校の話。最初の23分で何が起こるか。3日前から準備した教師。どんな相手にも一生懸命接することが大切。翻訳、青島幸男。英語の原文があるのが嬉しい。The children's story but not just for children。著者後書きが,英語の手書きと翻訳があるのもよい。平易な文章なので,日本語、英語も3度以上読むのがよいかも。ナツイチ2013/08/19
rico
96
再読。以前ドラマ化された。原題は The children`s Story.「子供向けのお話だけど、それだけじゃない」という表紙の言葉通り、すぐ読めるけど「洗脳」に必要な要素が凝縮されていている。魅力的で凛とした姿、歌い抱きしめることでエモーショナルな共感を呼び起こす。既存の価値観を巧妙にに否定し、新たな「指導者」への忠誠に置換。邦題踊り洗脳は23分で完了。ドラマは、最初洗脳者たる教師に反発していた少年が、新しい指導者を称え、誰よりも元気に声を上げる姿で終わる。邦訳は青島幸男。原文つき。短いけど怖い。2019/04/10
ムーミン
60
今のコロナに関するマスコミ報道によって、国民の考えが一つの方向に傾きかけようとしている状況に怖さを感じています。2020/05/30
fukumasagami
60
「なにごとでも、進むみちさえわかれば、こわいことなんてないのよ。こわい、と思うのは、自分のせいなのね。おなかの中がこわいと思うからこわいのよ。」 新しい先生のかおがかがやいていた。 「だから、みんなのように、強くてよい子は、おなかに力を入れてね。こわがらないことよ」2013/07/20
まるほ
56
読後の感想。「めっちゃ怖っ…」▼『最後の授業』(アルフォンス・ドーデ)と対をなす、“最初の授業”というべき作品。ひらがなを多用した児童書の体裁。80ページほどの短編。▼7歳児のクラスに戦勝国から派遣されてきた新しい先生が赴任する。彼女はたった23分間で被占領国の子供たちの意識を180度転換させ、心酔させてしまう。“教育”が毒にも薬にもなりうるということを鋭く描く。▼『最後の授業』と一緒に読むことをおすすめします。また“作者の後記”として、作者がこの物語を書いた動機が書かれていますが、これも必読です。2019/10/12