内容説明
その病気は古代ギリシャから存在した。歴史学の父とされるヘロドトス、哲学者アリストテレス、医学の祖ヒポクラテスの3者が書き記していたという「男が女になる病気」。本書では、次々と謎を解きながら宗教学から心理学、古典学まで幅広く30項目にわたり考察する。果たして本当にこの病いはあったのか。渋沢龍彦をして「あたかも推理小説を読むような興奮を味わった」といわしめた、驚異の書。
目次
三人の証言
神の病い
男がこどもを産む
思想のメタフォア
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yurari
3
一つ一つの事例は面白かったが、全体を通して何が言いたかったのか、よく分からなかった…2023/06/25
gkmond
2
再読。新刊で出たときに買って、一度読み、ようわからんと思った本。押し入れから出てきたのでもっかい読んでみた。前回読んだときよりも面白く感じたが、それは最近こういう虚仮威しな文体から離れているからかもしれない。実用性皆無であるゆえの愛おしさみたいなものを感じた。面白かった印象がないのにもう一度読もうと思わせた表紙がいちばんすごいのかも。2014/11/04
bittersweet symphony
1
未読本棚最古参のうちの一冊。手元にあるのは1996年の福武文庫の初版、オリジナルは80年に朝日出版社から出たもの。植島啓司(1947-)さんの最初の著作ということになります。黒海北岸の古代民族スキュタイ人のトランスジェンダー的な説話に関して、古代ギリシャやインドの文献/民俗学的な史料を中心にして、近世以降の医学とそれ以前のコスモロジカルな医術などとの関係性を解き明かしていく内容。雑誌初掲載時に澁澤龍彦がその謎解き的な叙述に感心したということだけれど、その事実が本書の特性をうまく現しているかもしれません。2015/10/09
更新停止中
1
これも10年ぶりぐらい再読。珍しく昔に比べて評価が下がった。2010/02/05