内容説明
通訳のムアンギ、テレビクルーたち。6人もの犠牲者を出して大生部は娘を取り戻した。「バナナのキジーツ」の志織を奪いに呪術師バキリは東京に来ている。番組関係者の回りでは次々奇怪な事件が起こる。司会者嬢の惨殺、清川の変死。元・プロデューサーの馬飼は大生部一家と大呪術師バキリが対決する生番組を企画した。光と影、呪いと祈り。テレビ局の迷路でくりひろげられる世紀末スペクタクル大団円。日本推理作家協会賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
208
最終巻!超絶エンターテイメント!子供ながらに70年代の超能力ブームにワクワクした自分としては、懐かしさもあいまって大満足!やはり、中島らも氏はただの酔っ払いではないよなぁ。ホラーな演出なんかも、スパスパと分かりやすく豪快で、最近の小難しいホラーよりも個人的にはこの時代の「ちょっとそれ!」とツッコミ入れたくなるような演出の方が好きだったりします(コメントへつづく→)。2017/10/05
ehirano1
182
読後感は良かったです。プロローグもここに来てきちんと回収されました。主人公の大生部教授、本書では「オオウベ」と読まれていましたが、当方は終始「ダイジョウブ」と呼んでいました。なんかその方がキャラクターを反映しているようで・・・・・。2017/07/09
ナルピーチ
131
舞台は再び東京へ。日本に戻ってきた大生部達に呪いの恐怖が次々と襲い掛かってくる。この最終局面を彼らはどうやって乗り切るのか…。第三部は波乱の幕開け。最初のコミカルな物語からは予期していなかった展開にハラハラしながらも読む手が止まらず一気読み。エンタメ小説としてこれぞ傑作と呼べる唯一無二の小説。三巻合わせて950ページの大長編。第一部はミステリー、第二部は冒険活劇、第三部はアクションと一巻ごとに作風を変える事によって最初から最後まで飽きる事なく楽しく読めた。らも先生、最高の読書時間をありがとうございました!2024/01/10
藤月はな(灯れ松明の火)
112
断酒を決意した大生部の周辺に降りかかる残虐な殺人。これはバキリの呪いなのか?負のプラシーボ効果でトラウマを形成されて殺されたルイさん、清川さん、隆心老師も結構、好きだったのでこの展開は辛すぎるよ・・・。そして大衆の娯楽のために過激化するメディアとその闇を使った大虐殺の悍ましさに血の気が引きます。しかし、緊迫する中での武装ムーミンと中筋さんが何故、平刑事のままなのかには思わず、笑っちゃいました。そして真逆の『○○○○○』展開に吃驚。そういや、これも家族のために頑張るパパの物語だもんね。いや~、楽しかった^^2017/08/18
山田太郎
83
再読だけど、全然覚えてなかった。こんなとっちらかった話だったかな。しかし、いまどきこんなめちゃくちゃな話書く人いないので、本当に早死したのが惜しい。何回も言ってるけど、らもさんとナンシーの不在はいかんともしがたい。2016/02/18