集英社文庫
人体模型の夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 270p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087484038
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

一人の少年が「首屋敷」と呼ばれる薄気味悪い空屋に忍び込み、地下室で見つけた人体模型。その胸元に耳を押し当てて聞いた、幻妖と畏怖の12の物語。18回も引っ越して、盗聴を続ける男が、壁越しに聞いた優しい女の声の正体は(耳飢え)。人面瘡評論家の私に男が怯えながら見せてくれた肉体の秘密(膝)。眼、鼻、腕、脚、胃、乳房、性器。愛しい身体が恐怖の器官に変わりはじめる、ホラー・オムニバス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ままこ

74
廃屋の地下で奇妙な人体模型を見つけた少年のプロローグ。体の一部分をモチーフにした色んな怖さを味わえるホラーオムニバス。表紙のぱっと見妖精みたいなイラストもなんだか不気味。田辺聖子さんの解説も良かった。2018/07/17

Shoji

47
1991年の作品ですが、色褪せることなく面白かったです。12編の短編が収録されていますが、全てがいずれ劣らぬホラーなお話ばかりです。受け取り方によっては、スピリチュアルな側面もありますが、精神世界を語るといった趣より、エンターテイメント指向が強いかと思いました。お話は、体の一部を題材にしています。それが結構インパクトありました。目とか、手とか、耳とか、脚とか、、、スリラーでした(でも少し笑えたりもする)。2022/03/06

hanchyan@自己ベスト更新

44
とてもとても面白かった。いかにもな幽霊譚から極めて現実的な日常の恐怖、トンデモ幻想譚までバラエティに富む掌編12個。共通するのは、一般的な基準から微妙に逸脱した人々が語り手・或ははなしの中心になることだ。楽園が一転して地獄と化す「セルフィネの血」(マジでイヤ)、ひねった設定が活きてる「耳飢え」(コワい)、理屈ぽいヘンなはなし「ピラミッドのヘソ」(ズバリ好みだがちょっとオチが弱いかなあ)等々、どれも印象深いが、やっぱ掉尾の「翼と性器」だな。「うわウワうわっ!」て声出たぞ。やっぱらもさんてスゲエなあ。2017/10/31

hope

34
★★★★★ らもさん14冊目。再読だが読書メーターは初登録。人体にまつわるホラーまじりの奇怪なお話の掌編集。どれもこれもが、落差の大きいオチ、不気味で苦めの後味を楽しめる。濃密でバラエティに富んだ話を読み進めるほど、ジェットコースターに乗って振り回されてるような感覚になる。あれ、私は絶叫系のアトラクションは苦手ですがなにか? やっぱり、らもさん最高です。2019/02/04

おすし

33
ホラーなのに、この満たされる読後感、何でしょう。中島らもさんのエンターティナーっぷり凄いです。SFとか、宗教とか、ロックとか(ビートルズの映画タイトルのエピソードは本当らしい。)、本格的世界観ブッこんでくる。コワイナーコワイナーと思いきや、急に笑かしてきたり。いろんな方向から吹き矢飛ばしてくるから、夢中になるうちにもう、毒が回っちゃってる。2020/07/16

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