内容説明
有名イラストレーターの「私」のもとには、それぞれの秘密を抱えて今日も女たちが訪ねてくる…。容姿も性格も悪くないのに縁遠い、七美。美しい男しか愛せない、地方の大富豪の娘、かおり。三十過ぎても不倫から足を洗えない、こずえ。「私」のかつての夫とつきあっている葉子。幸せになりたい―。このシンプルな欲望に、“運命”という言葉を巧みに操ってつき進む女たちを描く、連作短編集。
著者等紹介
林真理子[ハヤシマリコ]
1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で直木賞、95年『白蓮れんれん』で柴田錬三郎賞、98年『みんなの秘密』で吉川英治文学賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
130
テレビで先に本人を見たので毛嫌いしていました。同じくテレビで本人を先に見ていた、中島梓(栗本薫)は毛嫌いしていなかったのでなぜかはよくわからない。書いている内容は当たり前のことで、毛嫌いしたくなる要素は少ない。最後は、もう少しし幸せ終わり(happy end)を増やしてもいいような気もする。何が著者を駆り立てているのかまでは分かっていない。時代を背負おうという気概が、肩肘を張らせているのかもしれない。ナツイチ2013/08/14
あつひめ
97
主人公、エミ子になったつもりで読み進めたら…なんと疲れることか。たくさんの人と関われるのはそりゃ楽しいかも知れないが…とっても面倒くさい。ごく普通のことで相談されるならともかくお金や美貌に不自由しない若い娘たちの下の世話ばかり。私が友達が少ないのは、人の相談を受けられる器量がないのと面倒くさがりだからかもってところに落ち着いた。男と女の話なんて犬も食わない…夫婦喧嘩と同じ気もする。でも、本当のパートナーを見つけたいんだよね…女は。セックスもその一つの課題かもしれないし。恋愛は一人じゃできないしねー。2014/03/13
ゆめ
53
イラストレーター竹下エミ子の周りの年下の女友だちはみな一癖も二癖もある人ばかり。私の周りにはいないタイプばかり。ふーんとサラサラ読了。2018/02/23
June
29
バツイチの有名イラストレーター・エミ子から見た、年下の女友達を描いた短編集。年下の女友達らは皆、平凡な幸せをつかみきれていない。10人の年下の女の話を通して伝わってきてしまったのは、金持ちに対するやっかみ、年下の女への妬み、侮蔑。どの人にも共感できる部分がほとんどなかった。2017/05/20
あーちゃん♪
27
読んで思い出したが、昔読んだような気がする。「こずえ」のコートの話や、「いずみと美由紀」の恐ろしい約束が印象に残っていた。再読しようと山田詠美の短編を探したが、無かったのは作家違いだったからかf^_^;2013/08/25