内容説明
地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。炸烈する京極ギャグの奔流に、いつしかあなたは肉の虜となる。しりあがり寿先生の4コマは最新作だし、解説には大盛肉子ちゃんがゲスト出演。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
小説家・意匠家。1963年北海道生まれ。94年「姑獲鳥の夏」でデビュー。96年「魍魎の匣」で日本推理作家協会賞、97年「嗤う伊右衛門」で泉鏡花文学賞、2003年「覘き小平次」で山本周五郎賞、04年「後巷説百物語」で直木賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
92
後述の八作を読んでから読むとなお良い。そういう自分は『四十七人の刺客』未読、『パラサイト・イヴ』既読、『すべてがFになる』既読、『リング』『らせん』既読、『屍鬼』既読、『理由』既読、『ウロボロスの基礎論』未読。八分の六(75%)でした。区切りの一冊(2016年最後の一冊)なのに残念無念。2016/12/31
優希
85
文庫で再読です。ひたすらデブを前面に出した作品で、完全なるギャグですね。炸裂される巨肉小説は暑苦しいとしか。ですが、デブを追求しながらも、ここまでやろうという良い塩梅になっていると言えるでしょう。面白いかどうかは別として、今までにない京極作品を読まされたという感じです。夏に読むのには向いてませんね。2018/05/19
chantal(シャンタール)
75
京極先生は一体お相撲さんが好きなのか、ディスってるのか分からない・・どのお話もつながっていて、虚実入り混じった、なんとも言えない小説。オリジナルの小説はどれも有名だが、私は宮部みゆきの「理由」しか読んだ事がなかった。元ネタになっている小説を読んでみたいと読者に思わせる功績はあるが、あまりにもふざけ過ぎてて、普通の京極先生の小説が読みたいと思った😅2022/06/08
えみ
61
どすこい、どすこい、どすこい。大男がやってくる。この勢い、紙面を突き破って今にも出てきそう。これは何だ!?力士の行列、おデブの黄泉がえり、相撲のパラダイス!!どすこい。こんなに惑わす小説を書くなんて、やはり京極夏彦さん…恐ろしい作家だ。何をどう解釈してよいのやら未だにわからない。わからないが回って何かすごい小説だと思えてくる。とりあえず、どすこい。と言ってみる。この破綻崩壊炸裂エンタメ爆発、7篇の短編と漫画が収録された盛りだくさん小説。どこまでも暑っ苦しい密・密・密の密集どすこい。何を読んだか謎どすこい。2021/02/25
TATA
52
わははは、なんてしょーもない!デブをひたすら前面に押し出した作品。決して傑作ではないけど嫌いじゃないんだよね。おふざけは筒井さんみたいな感じでこのくらいまではやっていいという範囲内で収めているように見えるし。そもそもの題材は京極さんらしいように思うのです。要は筆の使い方の問題ということ。真の主役の遅塚さんの各話での活躍ぶりが素敵でした。2018/05/12