内容説明
海の見える部屋に暮らす遙子は、システムエンジニアの仕事をもち、医大生の恋人もいて、それなりに満ち足りた生活を送っている。だが、有力者の父から見合いの話が持ち込まれたことで平穏な日々にさざ波がたってゆく。恋愛、仕事、結婚、親子関係、様々なしがらみの中で揺れ動く20代の女性の心模様を描く。コバルト・ノベル大賞を受賞した著者のデビュー作。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955年金沢市生まれ。金沢短期大学情報処理学科卒。銀行勤務を経て八四年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞受賞。以後、恋愛小説やエッセイを発表し、〇二年「肩ごしの恋人」で第一二六回直木賞受賞
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感想・レビュー
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きのぴ
23
唯川さんがこの世界に足を踏み入れたきっかけになる作品ということで、可もなく不可もなくというところだったけど、綺麗な文章でとても読みやすかったです。あとがきの書くことだけは続けてきたという唯川さんの言葉がとても印象的です。やっぱり書ける人というのは限られた人なんだろうなぁ。2018/03/24
ゆめ
17
あっという間にサラリと読了。最後が少しあっけなかったかな?一杯のコーヒーで程よく雨の午後が過ごせました。2015/09/08
ふい
14
30年前に書かれた小説。30年でいろんなものが変わった。社会も変わり、職業もファッションも経済もトレンドも変わった。女性の生き方も変わった気がしたけど、やっぱり恋愛と結婚と人生の関係は変わらないな…(苦笑)あとがきが読めて良かったです。2016/06/26
原ふぉみか🍊
11
図書館本。読んでいると聞こえてくる雨の音、波の音。本文の合間に差し込まれた木佐塔一郎さんの優しい色合いの刺繍のデザイン。そしてゆるやかに進んでゆく物語に心が穏やかになる。作者 唯川恵さんのデビュー作ということで、たしかに展開は些細なものであるけれど「これが唯川恵さんの一歩なんだ」と思うとすごく愛おしい。ユーミンが合う作品だなぁと思っていたら作中何度か登場し(タイトルはユーミンの名曲「海を見ていた午後」からつけたらしい)、小踊りするほど嬉しくなった。巻末に収録されているエッセイには勇気をもらった。2023/02/14
にゃにゃ美
11
デビュー作。普通の恋愛ものなのだけれど、清々しい気持ちになりました。ラストの遥子の選択と重ねて、快晴の空と海、潮風を想像し、スカッと爽快。2019/07/14