内容説明
東京で受験生としての日々を送る凛一。京都の大学でフットボール部の主力選手として活躍する享介。遠く離れていてもこの思いは伝わっているはず―そう信じていた凛一だったが、京都を訪れた折りに、享介の意外な姿を見てしまう…。絡み合う周囲の人々の思惑、行き違いやためらいをのりこえて、ゆっくりと心は結ばれていく。二度とない、ふたりの季節を描く、好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
長野まゆみ[ナガノマユミ]
1959年東京生まれ。女子美術大学卒業。88年に「少年アリス」で第二十五回文芸賞を受賞
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感想・レビュー
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芽
45
正午がとんでもないことになってしまった。 トラウマのシーンはこっちまでゾッとした。 正午が凛一くんに辛くあたる気持ちはよく分かる。凛一くんの優しさは狡いもんな。みんなから狡いと説教されるのも納得。 次巻で最終巻!読むのがもったいないな。2014/11/09
yourin♪
22
私はどちらかというと白黒はっきりさせたい方・・・。こんなの我慢できないっ!2か月以上連絡もなく・・・ってか、2年も宙ぶらりんな気持ちで、会えばキスされたりするのに、彼女がいるとか、ぎぃーーーっ!ってなる。悶々としすぎて胸も腹も頭も苦しい。 最後凜一良かったね・・・だけど「京都へ来いよ」って、あの女はどうすんねーんっ! はぁ、はぁ、はぁ、悶々とし過ぎてへとへとです・・・。 と、なんだかんだ言ってこの世界にのめり込んでるんだけど・・・。(すごく好きらしい) 次でやっと完結編・・・。2010/10/19
さく
19
凛一シリーズ3作目、再読。「…理由なんてない。…あすもあさってもない。…今だけ…なんだ。…それでいい」「この一瞬は、容赦なく過ぎてゆく。ふたたびくりかえすことのない、たった一度きりの時間が流れている。交わしたことばや想いはいつしか色褪せ、ただこの眩しさだけを記憶にとどめる日が来るだろう」「今、彼等はこの世にあることでしか、共有できない時間の中に佇っている」2023/02/08
冬見
15
凛一、狡いなあ。彼のこと性質と環境上、結果的に狡くならざるを得ないというのは百も承知だけど。正午の出来事がつらい。2017/02/04
るか
14
★★★☆☆白昼堂々シリーズ第三作目。幼い頃に両親を亡くし、厳しい家元と暮らしてきた凜一の淋しさや心の虚がより強く現れていた巻だと思う。凜一の、氷川のことを本当に想うからこそ、自分がどうしたいかを抑え込んでいる姿が切ない。(ただ周りの人間がよく彼に説教するように狡いとも思う)千尋兄さんの「凜一の傍にいてやれなくて辛い」と口にするのを人づてに聞くシーンが好き。2016/09/30