集英社文庫<br> 麦の道

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集英社文庫
麦の道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 303p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087470567
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

津田尚介は、県立高校の受験に失敗し、創立2年目の“落ちこぼれ救済”の市立高校に滑り込む。最初は「まあいいやどうだって…」とすべてに醒めていた尚介だったが、親友ができ、打込めるスポーツをみつけ、気になる女学生が現れ、しかも喧嘩相手には事欠かず―と、その高校生活は徐々に熱くなって行く。喧嘩と柔道に明け暮れた高校時代を、パワフル&爽やかに描く、自伝的熱血青春小説。

目次

麦の道
拳骨とソーセージ
新しい稽古着
汗みずく
熱風
あつい傷痕
間抜け騒動
草の海
遠い雲
犬の目
花の匂い
大作戦

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

dowalf

6
作者の自伝的青春小説とのこと。部活に一生懸命打ち込む傍ら、喧嘩にも明け暮れる…と、なかなか派手な高校生活にもかかわらず、小説全体として大きな山場が無いため、一つ一つのエピソードにじっくりと入り込めた気がします。2013/09/02

Mingus

4
椎名誠の描く男子高校生の青春。"まぁ、どうだっていいや"が口癖の、どこか達観して、地に足がつかない主人公の尚介は、高校に入学する。やるかやられるかの不良の喧嘩、私は概して醒めて見てしまうのだが、シーナの描く不良の喧嘩は朴訥として実際的で潔さが感じられ嫌いにならない。そして行き場のない猛々しさが柔道に向けられることで浮いた足が地に着くようでもある。しかしながら断ち切れない不良とのしがらみ。淡い恋と清々しい友と、解せない教師。読み通してシーナの醍醐味はやはり著者自身の眼差しがそうであるように、哀愁に尽きる↓続2023/05/05

クジラ

4
タバコや体罰、喧嘩が日常の近くにある高校生活、ギリギリ残り香程度に知っている世代だが、今の若者は理解できないのではないか。それにしても、素直に純粋に、目の前の出来事から感じることが描かれているシーナさん小説は、何とも言えない少年の香りがして良い。自分の高校生活を思い出し、静かなエネルギーが心を充たしてくるこの感じ。いいなぁ。2018/11/04

Hira S

3
内にも外にもエネルギー溢れる高一の話。作者の実話ベースゆえ綺麗な起承転結話ではないのだけれど、リアリティがある。春の季節は繰り返すが若者の内面は一年で確実に成長する。安全でグレない方を選んだ私の知らない世界は、スリリングでとても眩しい。2020/11/29

りんご

3
いいな。ご本人はあとがきでこの時分なにを考えていたか忘れてしまってというようなことを書いていたけれど、なんだか、まさにこうだったナァ、という感じ。まあどうだっていいかあ、と思いながらも目の前の何かにうっかり熱中するあの感覚や、低俗な誤解をする大人への不信感には大いに覚えがある。そういう思春期のあれこれをただ拾って並べて置いてあるような筆致が好きだ。2020/06/29

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