集英社文庫<br> ツィス (改訂新版)

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集英社文庫
ツィス (改訂新版)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 422p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087463460
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

東京近郊の海辺の町で密かにささやかれはじめた奇妙な噂。謎のツィス音=二点嬰ハ音が絶え間なく、至るところで聴こえるというのだ。はじめは耳鳴りと思われたこの不快な音はやがて強さを増し、遂に首都圏に波及して、前代未聞の大公害事件に発展していく。耳障りな音が次第に破壊していく平穏な日常。その時、人びとが選んだ道は?そして「ツィス」の正体は?息もつかせぬパニック小説の傑作。

著者等紹介

広瀬正[ヒロセタダシ]
1924年東京生まれ。1972年没。日大工学部卒業後、バンド「広瀬正とスカイトーンズ」を結成。同バンド解散後、同人誌「宇宙塵」「SFM」誌などで活躍。73年『鏡の国のアリス』で星雲賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yamatoshiuruhashi

52
ある日(おそらく神奈川)C市海岸付近で微かなツィス音(嬰ハ)が聞こえるという話が出る。その音は原因不明。それがだんだんと大きくなり、都心部でも聞こえるようになり遂には尋常な生活を送れないようになる。都は極秘のうちに1千万市民の疎開計画を立て粛々と実行する。原因不明の常に流れる音で如何に人の精神は蝕まれるのか。耳鳴りのずっとする年齢になって改めてこれが耐え難い大きさであれば大変だと実感しつつ読み進む。ところが結果は大どんでん返しのようでもある。昭和40年代当時の最新知識と著者特有の詳細な記述で引っ張る一策。2022/12/28

Tadashi_N

37
耳から来るパニックは、避けるのが大変。少し違えば、あり得る状況かもしれない。2017/07/05

紫陽花と雨

34
神奈川県C市で突如なり始めたドイツ語で『ツィス』簡単に言うとド♯音。最初は小さな音で、音に敏感繊細な感覚の人にしか聴こえず、音響の専門家に相談公開調査したところから、音問題はだんだん波及していく。ツィスの原因は?解消解決法はあるのか?だんだん広がる音の偽対策商品が出回ったり、マスコミや政府の対応がリアル感。そして音が大きくなり皆が耳栓をしはじめ、聴覚に障害がある方が活躍。なるほどと思いつつ、差別問題も考えさせられる。30年以上前の作品なのに、このSF感と着眼点に驚くが、ラストまさかの…えぇー?2018/11/18

タルシル📖ヨムノスキー

27
ある日、神奈川にある精神科病院を一人の女性が受診する。彼女の症状は「幻聴」。ごく小さな音がいつも聞こえるのだという。調べてみるとそれは幻聴ではなく本当に「C#(557Hz)」の音が鳴っており、その音は徐々に大きくなり日常生活に支障をきたしてくるという。神奈川の一部限定だったC#(ツィス)の被害は東京へと広がり…。最終的に国は関東圏の人々の地方への疎開を決定。SFというよりはパニック小説や社会派小説の印象が強い。最後に真相が明かされて。…もしかしたらコロナってこの類だったのでは!?なんて思ってみたりして。2023/11/11

tama

27
自本 S48.11に学生生協で購入。何度読んでも面白い。なによりこの方(デビューして10年、47歳で早逝)の物語設計の細やかなこと!文章は品が良く温かで滑らか。心優しい人であったろうと思います。この2・3年に今のSF作家(♂)の作品読んだけど臭い唾をかけられたような不快感ばかり。 「!」の①「寮歌なんかてんでん勝手に雑唱を始める」②「昔、歌謡界は保守的で、一つ曲が出来るとその後はキーもアレンジも絶対に変えない。フランク永井がルパートして歌うようになってやっと変わってきた」。生きてて欲しかった作家さんです。2016/02/10

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