内容説明
金髪トサカ頭の竜二が飲んだくれの落語家・笑酔亭梅寿の内弟子となって、はや一年。梅駆の名前はもらったものの、相も変わらずどつかれけなされの修業の日々を送っている。そんな中、師匠の梅寿が所属事務所の松茸芸能と大ゲンカ、独立する羽目に―!東西落語対決、テレビ出演、果ては破門騒動と、ますますヒートアップする笑いと涙の落語ミステリ第二弾。
著者等紹介
田中啓文[タナカヒロフミ]
1962年大阪府生まれ。93年「凶の剣士」で第2回ファンタジーロマン大賞佳作入選、ジャズミステリ短編「落下する緑」で「鮎川哲也の本格推理」に入選しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
104
シリーズ2作目ですが、今回は7つの落語作品(蛇含草、天神山、ちりとてちん、道具屋、猿後家、抜け雀、親子茶屋)の絡みがあり結構楽しめました。相も変わらない師匠の下で徐々に頭角を現しつつある主人公ですが、師匠が所属事務所と大喧嘩して独立します。また主人公も1作目と同様に破門されてしまうということも起きますがまた元のさやに‥‥、ということ楽しめました。このような話を読むと米朝師匠のCDを聴きたくなりました。2023/03/27
はつばあば
49
トサカ頭の兄ちゃんも、TVやラジオに出してもらいながら、日々成長してきました。落語はどないなってん?と心配になりましたが、これも忍耐を要する仕事。色々な仕事をする上で、古典落語がホンマに好きやという思いもジワジワ感じているようです。それにしてもTV局って何さま?スポンサーってどんだけ大きい顔してられるねんと、ちょいと腹立たしい。ハナシにならん破天荒な師匠ではありますが粋な場面がチラホラ。日本演芸文化大賞の新人賞を受賞したトサカ兄ちゃんの次巻は、ハナシがはずむそうどすな2015/05/26
はらぺこ
46
好き。 前作に比べてミステリ色が薄かったのが良かった。 竜二が将来どんな噺家になるのか凄く楽しみです。2015/11/14
たち
36
今回は「謎解噺」というよりは竜二の「苦労話」という感じがしました。ここまで状況が悪くなっているのに、いつも逃げずに前を向く竜二は、周りの人々の中で誰よりも真面目だなと思いました。師匠の次男、竹上刑事の出番がなくてちょっと残念。次回に期待です。2016/10/08
アーチャー
30
私が以前住んでいた町と、登場人物の一人の出身地が一緒だった。たったそれだけのことで、このシリーズに親しみを覚える私は単純ですが、それ以上に一つ一つのお話が面白くて泣かせてくれます。2014/05/11