内容説明
自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで三田総一郎と出会う。財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウとヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。
著者等紹介
奥田英朗[オクダヒデオ]
1959年岐阜県生れ。雑誌編集者、プランナー、コピーライターを経て1997年「ウランバーナの森」で作家デビュー。2002年「邪魔」で大薮春彦賞を、2004年「空中ブランコ」で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
599
この人の作品は、いずれも軽快なテンポでの展開が真骨頂なのだが、本作はそれにしても軽すぎるのではないか。主人公たち3人はいずれもいたってお気楽な人生を歩んでおり、将来に対してもこれといった悩み煩悶もない。また、3章の各章は、3人それぞれが視点人物を務めるというスタイルをとっているが、それはさほどの成功を収めているとも思えない。一方、プロットの荒唐無稽さはまあ許容範囲か。2点3転する展開のスピード感もいい。また、エンディングはちょっと気が利いている。2018/11/24
ehirano1
332
こういう系は垣根涼介のアキシリーズが当方の中では群を抜いているので、分が悪いのですが、ストロベリーのファンになってしまいました・・・(そこかい!)。ところで、ミタゾウの特技は日本社会の中ではなかなか活かせないのでしょうか?米国なんかでは“強み”を活かすので、天才詐欺師や天才ハッカーがFBIで勤務する場合が稀ではありますがあります。ミタゾウの様な人材をうまく活用できる組織というのがあってもよさそうに思うのですが・・・。2016/09/11
ナルピーチ
230
“ミタゾウ”、“ヨコケン”、“クロチェ”の3人が織り成すコンゲームの開幕だ!狙うは現金で10億円。相対するは怒りにまみれたヤクザ、怪しげな中国人、お金に貪欲な美術商と曲者揃いなヤツばかり。後半は二転三転四転と場面が目まぐるしく換わっていく。果たして3人は無事に大金を掴む事が出来るのか?!終始面白可笑しく読まされてしまった!このドタバタ感は病みつきになってしまいそうだ!それにしても一番の被害者はタケシ、そして一番の功労者はストロベリーかな。お金は全うに稼ぐのが一番、明日からまた仕事を頑張るぞ!2020/11/01
ダイ@2019.11.2~一時休止
198
何故か一緒に現金強奪することになった3人。それぞれのキャラがイイ感じで面白かった。2016/06/02
Aya Murakami
183
ナツイチ2019対象本 メイン主人公はチャラ男のパーティ屋ということでいいのかな?ほかにもメインで動き回る2人(発達障害と思われる計算暗記能力の優れた会社員と悪女っぽい美女)も最初は脇役と思わせておいて登場するので。展開が目まぐるしく変わるので始終驚きっぱなしでしたが登場人物がほぼ全員なにかしらの欠点を持ち生きづらさを感じているようなのでアクションを楽しみつつも心理描写に共感を抱きながら読み終えました。特に最後はキリバスの羽を伸ばす会社員の幸せを願う限りです。2019/12/26