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集英社文庫
ダリア

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  • サイズ 文庫判/ページ数 191p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784087460902
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

彼女のニックネームはハナコ。アメリカからの帰国子女。幼なじみの太郎に恋心を抱き、眠る前に料理レシピとポルノ小説を読む17歳。少女時代特有の、痛みと孤独、戸惑い、甘やかな予感に満ちた日常のなかで、彼女はふと考える。父と母の生き方、太郎がバイセクシャルであること、自分が女であること、自分が自分であるということを―。“わたし”とは誰かを問う、咲きかけの花のような物語。

著者等紹介

野中柊[ノナカヒイラギ]
1964年生まれ。立教大学卒業後、91年、ニューヨーク州在住中に『ヨモギ・アイス』で海燕新人文学賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

深沢商店

10
ジャンピング・ベイビーに続いての野中柊さん。登場人物がみんな、特徴がありつつも好ましく描かれているのがとても良いと思う。性にオープンな女性が出てくる系は苦手なものが多いけれど、作中小説(?)の主人公・ダリアにその役をおわせ、実際の主人公・ハナコがそれを読むという形をとることで、恥ずかしくなるような生々しさは軽減されている。17歳にして中絶を経験しているハナコと、実際は同性愛者である太郎との、普通の恋人同士のやりとりに、切なさを感じます。2015/11/16

みるみる

2
ちょっと普通の話や作風には満足できない私には格好の本。野中さんの本は(エッセイ)は読んだことあったけれど、小説はこれが初めて。エッセイでも表現力や言葉の使い方が素敵だったけれど、小説になっても勿論それは健在で、尚且つ作風が個性的で文体がまた自分好み。思春期独特の歪んだ心理や行動と共に現代においては珍しい温かな家庭があり、そして食欲をそそる作者が得意とする料理の描写が不安定な心や作品全体に幾ばくかの調和を与えている。映画で言うならアメリカ映画じゃなくフランス映画を見ているような感じがする。2015/07/11

soran

2
周囲との関係のなかで自分というものを掴んでいく過程にある凛々しい女の子の話。あの年代独特のひりひりした孤独と人恋しさが切ない。語り方がうまいなあ。2013/12/20

桜もち 太郎

2
主人公であるハナコが自分、家族、ボーイフレンドの太郎の心と体をエグる物語。作中ででてくるフランス人作家ランベールの「ダリア」がハナコと重なるところがミソかな。決して読み終わって後味の悪くなる小説ではない。何となく若いころに戻りたくなってしまった。ところで「フランス人作家ランベールの『ダリア』」って架空の話なんだろうか。2013/06/08

Megumi Mori

2
読み進める内に胸が締め付けられるような痛みを感じる小説だった。ハナコの父の「きみはまだ子どもなんだから。もっともっとすくすく育って、大人になってゆかなくちゃならないんだから」「きみの未来は、これからなんだ」というセリフが印象的。この小説の救済にも祈りにも感じた。2012/11/22

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