内容説明
長身痩躯で超美形の心理探偵“ハーレクイン”。彼のオフィスへ望みを叶えて欲しいとやってくる迷えるクライアントたち―。神崎理恵が、袴田浩平と結婚したいと訴えた時、成功報酬は「あなたの虚栄心です」と応えて、話を聞き始めるが…。クライアントの心を操って、胸にしこる葛藤を切り開き、深層心理から吹き出す血と膿を吸血鬼のように味わう探偵の鮮やかな手腕。連作心理サスペンス。
著者等紹介
西澤保彦[ニシザワヤスヒコ]
1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒。『聯殺』が第一回鮎川哲也賞最終候補作となる。95年『解体諸因』でデビュー。本格ミステリの要素とSF的な作風の融合で人気を博す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
111
連作短編集。安楽椅子探偵モノの心理ミステリー?。不思議な世界観でした。2016/06/09
papako
48
続けて西澤作品。不思議な探偵(?)『ハーレクイン』のところに秘密をかかえた人たちが人たちが訪れる。まるでカウンセリングのように心にかかえた秘密を引き出し、収まるところにおさめてくれる。京極夏彦の書楼弔堂に近いかなと思いました。順序は逆ですね。なかなか不思議な味わいでした。2015/08/22
ミーホ
35
願い事をかなえるための《手助け》をしてくれる、魔法使いのような探偵”ハーレクイン”の元に訪れるのは、現在の状況に不満や困惑を抱く者達。簡単に言うと人生相談なんだけど、ピクチャアウィンドウに広がる夜景とマンガチックな程の眉目秀麗な”ハーレクイン”が一種独特なムードを醸し出す。ファンタジックであまり好みではないけど、持ち込まれる願い事に対してスムーズに『はい、わかりました』とならないのが面白い。有栖川氏の解説でクリスティ作品のオマージュと知る。なるほどなぁ。そしてまたもや「退職刑事」の話題で積読本が呼んでいる2015/09/26
すたこ
34
★★SF心理サスペンスとでも言うのかな。連作短編集。ファンタジー系不思議話は好みがはっきりと分かれる私。これはちょっと苦手かもしれない。一つ一つラストは落ち着くけど、ほんのりブラック要素あり。ブラックならとことんブラックでいてほしいと思った。2016/03/29
じゅんぢ
32
ハーレクインにあまり魅力を感じなかったせいなのか、ハーレクインと依頼者とのやり取りがいまいちだった。2020/02/26