内容説明
家庭や仕事場での、腹の立つこと、くやしいこと、辛いこと、ぶちまける相手があればいいけど、あってもいえない場合もあるでしょ。そんな時、“天に口なし、ぬいぐるみをして言わしむ”と思えたら…。「ハッピーかい?」「オトナのホンネ」「笑うか、泣くか」など、やさしいつぶやきの二十章。人間への深い洞察と寛容とユーモアが、慈雨のようにあたたかく心にしみるエッセイ集。
目次
和を以て貴しとなす
あの世この世
ハッピーかい?
風邪の一日
人生の借り
オジンいってしまう
すぎしことみな佳し
オトナのホンネ
イッちゃんのワルクチ
ヨイショについて〔ほか〕
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年3月27日大阪生。樟蔭女専国文科卒。56年「虹」で大阪市民文芸賞。64年「感傷旅行」で芥川賞、「花衣ぬぐやまつわる…」で女流文学賞、「ひねくれ一茶」で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
72
優しくネガティブな妄想的つぶやきがツボでした。ぬいぐるみが相棒のようになっているのに共感します。スヌーたちが年を重ねて味わい深くなってきたのは、おせいさんと共に時間を過ごしているからでしょうね。辛いことや悔しいこと、色々あってもぬいぐるみたちが癒してくれるのは同じなので、心にじんわりしみこみます。2018/05/17
シュシュ
27
ぬいぐるみに語らせているけれど、よく読むと奥が深い。さすがという感じ。オトナの本音が特によかった。オトナの本音でいえば、幸福の秘訣というのは、「1.手にあう程度の仕事をして 2.いつも人生コースの5,6番目か、もっと後ろを走っていること。…なんせ、目立たないのがいい。ビリも目立つ。 3.というのも人に憎まれず、敵を作らず。人に嫉まれるほどの幸運をむさぼらないこと。 4.幸福はこっそり味わうもの。家庭を愛し、仕事を大切に思い、そのひそやかな幸福を守るため、薄氷を踏む思いで生きる」2019/06/25
キーにゃん@絶対ガラケー主義宣言
8
追悼読書。これはエッセイでよろしいのか?おせいさんのモットーが詰まった一冊。天国でもスヌーだちに囲まれ寂しくないね、きっと。ぬいたちの魂が後を追いかけて行くのが見えた気がした。2019/06/12
Yoko Kidani
0
聖徳太子 ぬいぐるみをひとつも持ってないので白目を剥きながら読んだが、なくしてはいけない言葉があるのではないかという事はなんとなく分かった。2015/11/07
エリちゃん
0
購入