出版社内容情報
2007年夏、甲子園決勝の舞台で奇跡が起きた。逆転満塁ホームランを放った無名校が、常連校を破って優勝。その野球部は一体どのようにして全国の頂点に立ったのか。あれから十年のインタビューを追加。
内容説明
第89回全国高校野球選手権大会決勝戦、3点ビハインドの8回裏、満塁。打席に立った副島がとらえた打球は空高く舞い上がった―。2007年8月22日、そのチームは史上最低打率で4081校の頂点に立った。並み居る強豪校を退け、田舎の無名校が甲子園優勝を遂げた裏に隠された秘密とは。綿密な取材で強さの源に迫る感動のノンフィクション。あれから10年、当時の監督や選手たちの現在を追加した完全版。
目次
プロローグ
第1章 十年日記
第2章 番狂わせ
第3章 不協和音
第4章 8月22日
エピローグ
巻末資料
座談会 あれから十年
著者等紹介
中村計[ナカムラケイ]
1973年千葉県生まれ。スポーツ新聞記者を経て独立。スポーツをはじめとするノンフィクションをメインに活躍する。2007年『甲子園が割れた日』でミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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はつばあば
61
娘達が高校生になって、いつもはTV桟敷だったのに、どうしても甲子園に行きたい!観たい!と言い出してご近所のご主人に連れていってもらい、興奮して帰ってきました。佐賀の公立高校が劇的な試合で全国制覇。そりゃ甲子園には独特な雰囲気に包まれるでしょうよ。魔物が味方してくれたりもする。それも魅力の一つ。懐かしいです。子供と暮らしてきた18年。親から離れて暮らしてきた彼女達の25年。監督の百崎先生、不器用な人のようですが誠実であるのは間違いない。・・・でもご家族の方は淋しい想いをされたかも。読めて良かったです2023/01/10
ドリル
29
今年はコロナウイルス禍で交流試合という形式になってしまった夏の甲子園。一昨年の100回大会で金足農業が金農旋風を巻き起こしたが、決勝で大阪桐蔭に屈した。その10年以上前に起こした佐賀北のがばい旋風を描いたノンフィクション。決勝戦のインパクトは2009年と双璧でありかなり印象に残っている。また、相手広陵のバッテリーがいずれもプロ入りしているのもなんとなくドラマチックである。もうあれから13年も経ったんだなあと改めて時の過ぎる速さに驚かされる。来年は例年通りの夏の甲子園が戻って来て欲しい。(★★★)2020/08/17
もちもちかめ
15
次男が産まれる直前の夏。お盆休みにテレビで親戚達とワイワイ見た甲子園は、全く何も知らない若い母親にも眩しく美しい試合だった。これ読むと伝説の広陵との決勝戦じゃなくて帝京戦だったのかも?日程的に。私にとっての甲子園は、佐賀北。死ぬまで忘れない美しい光景。って!実は相手の方が今でもよく見るそうそうたるプロなのがびっくりしました。中村晃とか野村祐輔とか小林誠司とか応援しよう。あと、百崎先生喋りすぎ笑。他の大監督達との差が凄い。教師なんだなと思う。2022/08/20
ジロリン
15
【再読】この、甲子園大会優勝を果たした時のエースが母校の監督となって、今年の地区大会を勝ち抜き、甲子園行きを決める!まるでマンガのような話だぜ♪(誉めてます、もちろんw)…「がばい旋風」再び!なるか。2019/08/01
ジロリン
15
努力は報われる。だから、かけがえのない三年間限定の物語が人を魅了してやまないのだな。勿論、その努力は並大抵のモノではないし、やりとげる意志とそれを支える体力・健康も必要だ。勉学、部活はもちろん日常生活までも何問題もなく学校生活を送っていた生徒の突然(にしか思えない)自死に、大きな衝撃を受けた監督の言葉が壮絶だ。「何もなければいいんですか。何も問題のなかった子が死ななければなかったんです!」2018/07/28