出版社内容情報
昭和5年、賑やかな家族のもと産声を上げたハルエ。穏やかな少女時代、ふたりの子供を育てながらの波乱の結婚生活と離婚、反動の浪費三昧、忍び寄る老いと病……一人の女性の足跡。(解説/佐藤真由美)
内容説明
「おれの子じゃない。知らない」ハルエの妊娠報告に夫のタケシは言い放った―。優しい両親、きょうだいに囲まれて、楽しい幼少期を過ごしたハルエだったが、金にうるさく自分勝手、超細かい性格の夫との結婚生活は、びっくりすることだらけだった。子供たちが成長し、念願の離婚をしたところでハルエの中で何かがはじけた。娘、妻、母、そして老人となっていく女の一生をおおらかに描く。
著者等紹介
群ようこ[ムレヨウコ]
1954年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業。広告代理店、商品企画会社を経て、「本の雑誌社」勤務の傍ら、エッセイ『午前零時の玄米パン』を発表、注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
51
著者の母・ハルエの幼少期、結婚、子育て、そして老人になるまでが描かれています。小説と言えるのかなという内容でした。どちらにしろ、ちょっと合わなかったです。2020/09/01
パフちゃん@かのん変更
49
小説になっていますが、著者の他のエッセイにあった話も入っているのでおそらくほとんどは実話だと思います。母ハルエは才能にも恵まれしっかり者。だが、見た目はいいけれど、自分勝手で家計も任せてくれない男と結婚して苦労する。20年我慢して離婚。離婚したほうが生活が楽になったらしい。娘のアカネが文筆業で高収入を得るようになってからは高額な着物や家をねだる。30分で500万の買い物とか、母と弟が住む家に1億とか、考えられない贅沢だ。とんでもない話だけど、いいなあ、そんな娘。2017/09/04
saga
36
著者の他のエッセイでは豪放磊落な母というイメージがあった。本書は、その母を主役にしたエッセイかと思って読み始めたが、なんだか雰囲気が違う。限りなくドキュメンタリーに近い私小説だと感じた。厳しい戦前戦後を生き抜いた母・ハルエだが、結婚相手は無茶苦茶な芸術家。我慢に我慢を重ねた結婚生活の末の離婚を経て、わがままな母に育ってしまった。こんな母に同情半分嫌悪半分。そう言えば、エッセイによく出てくる猫やら鳥やらの動物が出てこなかったな〜2019/09/13
ねこまんま
33
群さんのお母さんのお話。ダメ夫に振り回されながら苦労して子供を育て、仕事もし、やっと離婚にこぎつけて、第二の人生を謳歌したいのは分かる。したらいいと思うのよ、だけど限度ってものがあるでしょう。まして自分の今までの苦労は自分と夫のせいなのに、娘に依存し、浪費しまくるその神経が分からない。まあ、それだけのことをされたから、著者も仕事のネタにして稼いでるんでしょうけれど、幼稚な親を持つと大変だわ。2016/11/14
扉のこちら側
33
初読。2015年78冊め。夫のDVに耐えるハルエに同情しながら読んでいたのに、いつの間にかハルエ自身が毒母になっていてアカネに同情。2015/01/25