出版社内容情報
ときは平安。左近衛中将宣能は、家柄もよく容姿端麗で完璧な貴公子だが、怪異を愛する変わり者。中級貴族の青年・宗孝は、なぜか彼と共に都で起きる怪異の謎を追うはめになり……。書き下ろし文庫。
内容説明
十二人の姉が居る以外は、ごく平凡な中流貴族の宗孝。御所に鬼が出たという噂を聞き、仲間たちと度胸試しで確かめに行くが、そこに居たのは怪異を愛する変人と名高い名門貴族・宣能だった。なぜか彼に気に入られてしまった宗孝は、彼と共に鬼の正体を追うことに。結局、人の仕業とわかって落胆する宣能だったが、その後も続く怪異の裏には、とある陰謀が隠れていて…。新感覚、平安冒険譚。
著者等紹介
瀬川貴次[セガワタカツグ]
1964年生まれ。91年『闇に歌えば』でデビュー。集英社コバルト文庫に著書多数。また、瀬川ことび名義での著書も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
374
怪異メインと思いきや、どちらかと言うと謎解き要素の方が強かった。キャラはなかなか立ってるし、この時代特有の妖しさや闇のようなものには雰囲気がある。派手さよりも話数重ねてこそじわじわ味がしみてくるタイプかな?2016/11/10
ううち
159
平安初心者ですが読みやすかったです。ばけもの好きな見目麗しい中将様と、振り回されっぱなしの宗孝さんの掛け合いが軽快でした。初草の君や宗孝さんの姉様たちも個性豊かで良かったです。「牛車爆発しろ」に笑った。弍も読みます。2015/01/15
KAZOO
116
時たまお気に入りさんの感想を読んで気になっていたのと夢枕さんの「陰陽師」シリーズが出ないのでこの本を読むことにしました。「ばけもの」以外あまり興味のない中将と異母姉が12人もいる青年がコンビとなって怪奇的な出来事を解明していく話で結構古典(伊勢物語など)が出てきたりして楽しめます。12人の姉の絡む話が多く今後も期待できそうです。2021/01/06
kaoru
112
怪異の噂を検証し、裏にある真実を暴くミステリー仕立ての物語。平安時代の雰囲気を表現しつつも、個性的なキャラと読みやすい文章を楽しめます。また、所々にある古典作品のオマージュにニヤリとしてしまいます。2016/04/13
愛
105
友達が絶賛していたので、ありがたくお借りして読みました。今まで歴史小説を避けてきた私でしたが…、なるほど、これは楽しめました。「歴史」と言っても一風変わった雰囲気を持つ平安時代。そこで起こるは不思議な現象。現代でも解けないような怪奇現象を、ばけもの好む中将があれよあれよと解明させていきます。言葉遣いが丁寧で、事件もこの時代でしかできないものばかり。平安時代という設定が上手く生かされていました。個人的には初草ちゃんがお気に入り。あの可愛らしさは憎めない!読者を平安に引き込む本。これぞ現代の「をかし」の文学!2014/09/24