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集英社新書
名士の系譜―日本養子伝

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087205084
  • NDC分類 281.04
  • Cコード C0223

内容説明

気づけば政治家から芸能人まで「二世」「世襲」が普通の世の中に。だが、森鴎外、幸田露伴、吉田茂、湯川秀樹などなど、日本の近代史を省みれば偉人の多くは養子縁組の流れから生み出されてきたという事実がある。かつて日本では才能のある他人を養子に迎え、家、店の維持発展をはかることは通例だったのだ。本書は幕末から昭和まで、養子縁組の中から輩出された傑物たちがいかに近代日本の礎を築いたかを紹介し、ひいては日本の伝統に秘められた「人を育てる」智恵を再考する。バカな実子より、賢い他人!そして、これは“悪しき世襲”が跋扈する、現代に向けた警世の書でもある。

目次

世襲VS養子
殿の功―湯川秀樹三兄弟を育てた祖父、紀州藩譜代小川駒橘の明治維新
東京行き―白仙と静男、鴎外を生んだ津和野藩医森家の系譜
瓦解―幕臣幸田家、「あとみよそわか」の源流
築地ホテル館―二代清水喜助、三代満之助、棟梁から建築業へ
順天堂医院開院―二代堂主佐藤尚中と「技術の養子」たち
徴兵養子―西郷像を彫った高村光雲の人情養子噺
男子相続罷りならぬ―日本橋馬喰町、紙屋中庄、信用と暖簾の掟
木曾川水力発電―鬼才福沢桃介、「諭吉より私が偉い」と言った婿
坪内逍遙が選んだ養子―黙阿弥の娘糸女と河竹繁俊
恐慌突破―二代小菅丹治とアール・デコの新宿伊勢丹
保健の殿堂入り―日本生命、創業者助三郎から『生保の至宝』弘世現へ
守勢と攻勢―法学博士にして鹿島建設の婿、鹿島守之助が高層ビルを建てるまで
調和―政治の血脈から生まれた養子宰相、吉田茂
されど愛しきダメ養子―谷崎潤一郎が解き明かす、実直な婿だった父の失敗人生
養子に行く気持ち、養子にやる気持ち

著者等紹介

新井えり[アライエリ]
東京生まれ。早稲田大学、同大学大学院で英語・英文学を学ぶ。青山学院大学非常勤講師。日本人論、言語文化論、人生論などを中心に執筆活動を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

讃壽鐵朗

2
つまらない2014/10/22

tsu55

1
今までなんとなく気づいてはいたのだけれど、改めてこうやって書物の形で提示されると、やっぱりそうだったのか、と感心してしまう。近代日本の偉人には「養子」が多い。森鴎外、幸田露伴、吉田茂、湯川秀樹など、日本近代史を飾る多くの偉人やその親が養子経験者なのだ。 「政治家から芸能人まで「二世」「世襲」が跋扈している昨今だが、血の繋がり」より「文化の継承」を重視する日本古来の知恵を 見直すべき時かも知れない。

1
近代以降の養子について。吉田茂とか湯川秀樹とかビッグネームもチラホラ。著名人本人の章は養子とその人達の偉業の繋がりが明確になっていないし、それ以外の著名人の父親が養子、なんて話になるとだからどうしたの??と思うようなことばかり。名士に限らずこの時代、養子は多かっただけじゃないか?とも思えてしまう本。2011/11/27

桃水

1
「人を育てる」とはどういうことか考えさせられます。2010/02/07

ポンポコ

0
4月4日が養子の日だとさっき知ったのだけど、たまたま昨日から読んでいた。うちも祖父と曽祖父が養子なので、養子の意味については気になっていた。今は家とか家業とか世襲とかは前近代的なものと思われがちだけど、家業を維持するためには良い人材を養子として迎えて後継者にするというのは合理的な制度だった。血よりも家、家業だった。近代化以降はそれを抜いてしまったので、家族経営や同族経営が綻びを見せたけど、実際は優れたシステムだったのではないか。政治家の世襲もまた然り。2015/04/05

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