集英社新書
政党が操る選挙報道

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  • サイズ 新書判/ページ数 254p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203974
  • NDC分類 314.8
  • Cコード C0236

内容説明

二〇〇五年の衆院選は、「コミュニケーション戦略(コミ戦)」が試みられた、史上初の選挙となった。キーパーソンは、NTT出身の自民党議員・世耕弘成。民間企業の広報PRを政治の場に応用すべく結成された「チーム世耕」は、徹底した危機管理と情報操作で、ついには自民党を大勝利に導く。二大政党の一翼とされる民主党もコミ戦に着手している今、私たちはどのように政治報道に向き合えば良いのか?本書は、四半世紀もの間テレビメディアの世界で生きてきた著者が、政党によるメディア・コントロールの手法を具体的かつ詳細に暴いた、選挙前の必読書である。

目次

第1章 日本政治に初めて本格的“コミ戦”誕生!―歴史的転換点二〇〇五総選挙(自民党大勝の陰で進められたコミ戦全貌;コミ戦の仕掛け人 ほか)
第2章 コミ戦の起点は政治改革とともに―テレビが飲み込まれていった“失われた一〇年”(起点は一九九三年!政治がテレビを利用し始めた…;スキャンダルは格好のテレビネタ ほか)
第3章 コミ戦は日本の政治に根づくか―自民党vs民主党のコミ戦バトル(意外にも先行していた民主党コミ戦;コミ戦は、先に争点を作ること… ほか)
第4章 テレビメディア敗戦―政治や選挙報道とどう向き合うか(小泉最後のコミ戦;“言わない”ことで引きつける ほか)

著者等紹介

鈴木哲夫[スズキテツオ]
1958年生まれ。早稲田大学法学部卒。放送記者、ディレクター、プロデューサー、ビデオジャーナリスト。テレビ西日本報道部、フジテレビ報道センター政治部、東京MXテレビ、朝日ニュースター報道制作部を経て、2007年より日本BS放送勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くりのすけ

5
選挙報道が政党によって操られるのではなく、単にマスコミが本来するべき仕事をしていないからではないのか。問題視されるべきなのは、ここで出てくる「コミ戦」よりもマスコミの怠慢なのではないか。メディア関係者が常に中立性を保ちつつ、独自に取材や検証を行えば、操られることも減るのでは。2014/06/12

壱萬弐仟縁

2
最近の選挙関連情報には、正直いって、がっくりしている。理由は、評者の選挙区の当確を週刊誌で知ったり、新聞でも政党支持率の世論調査でなんともいえない虚無感、脱力感を得たからだ。本著では、情報戦で勝ち抜いた小泉純一郎の話が第1章に。評者は今週届いたTIME誌にメキシコも独裁政権だったことを知り、長期政権だと腐敗するな、と実感した。アラブの春、ジャスミン革命然り。都知事選のときもそうだったが、3.11で派手なことができず敗れた候補もいた。肝心なことは、独裁を許さない民主主義の構築。知りたい情報を教えるメディア?2012/12/06

ホリエンテス

0
小泉郵政選挙の時の選挙報道を中心にメディアと政党の距離を検証している。大した提言があるわけではなく事実を連ねているだけ。でも政党が自分達のいいようにメディアを誘導することの怖さ。要はメディアリテラシーが問われている。テレビだけで情報を取ろうとすると痛い目を見るのは我々なのだ。2014/09/03

kozawa

0
コミュ選という単語を使っているが、実は読んでも定義がよくわからず、せいぜい「小泉選挙より前には自民党は選挙用マスコミ対策はまるでなってなかった」以上のことは分からない気がする…。2012/12/15

takashi1982

0
放送記者やディレクターなどを経て現在もマスメディアの世界に身を置いている著者が2005年のいわゆる「郵政解散」で行われた自民党のメディア戦略を分析した論考だ。政党が初めてメディアというモノを意識的に利用した選挙戦であった。これ以降、政党は(アメリカのように)メディア対策を真剣に考えざるを得なくなる。しかし、本文中で紹介された河野太郎の言葉は示唆的だ。(続く)

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