内容説明
長く特派員としてアメリカ社会の変容を見つめてきた著者が、「社会の座標軸がズズッと右にずれたような変化」を感じ始めたのは一九九〇年代半ば。アメリカ国内で繰り返される不可解なテロ、中絶や同性愛をめぐる深刻な軋轢、信仰の熱心さが生み出す分極化―文化の多様性を拒む何かが、地下からはっきりと姿を現していた。現地での取材、インタビューを積み重ね、著者は、その源流が清教徒による建国思想、過激な反連邦政府意識、白人優越主義などに端を発する、「アメリカ原理主義」ともいうべき宗教右派の動きに結びついていくのを知る。
目次
第1章 極右の存在
第2章 争点の風景
第3章 宗教右派
第4章 転向―中絶をめぐって
第5章 同性結婚をめぐる争乱
第6章 カルチャー・ウォーズ
第7章 純潔と禁欲
第8章 よみがえる建国の父たち
第9章 テロの衝撃と使命
第10章 神への傾斜
著者等紹介
河野博子[コウノヒロコ]
1956年福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、コーネル大学で修士号(国際開発論)取得。読売新聞社会部次長、ニューヨーク支局長を経て2005年より編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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