内容説明
愛する娘が難病と診断された。その時、親として何ができるか―。現在治癒不可能と言われるミトコンドリア病を抱えて生まれてきた響ちゃんと、親である著者と妻。大人になるまで生きることは百パーセントない、と言われ、一時は絶望の淵に沈む。だが三人は、困惑しても決してあきらめない。あらゆる可能性をかけて、厳粛に、しかし軽やかさを持って病気と向き合っていく。「親であることのよろこび」を改めてかみしめる、愛情あふれるドキュメント。
目次
1 わけがわからない状態から、病名宣告までの、長い九ヵ月(水中出産;響誕生 ほか)
2 悲しくて身動きもできない状態から、次第に積極策に乗り出す(海を見せに;療育センター ほか)
3 辛かろうと心配だろうと、生きている歓びを抱きしめるほかはない、ということ(ぽんちゃん;二重の喪失 ほか)
付記 いま思っていること―響の人生の意味(僕らにとっての、響の生命の意味;響にとっての響の生命の意味 ほか)
著者等紹介
堀切和雅[ホリキリカズマサ]
1960年生まれ。劇作家、エッセイスト。早稲田大学時代に結成した劇団「月夜果実店」を主宰しながら、岩波書店で『世界』「ジュニア新書」などの編集を手がける。その後、大学教員(担当領域「演劇・身体表現」)を経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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