集英社新書
アスベスト禍―国家的不作為のツケ

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087203240
  • NDC分類 519.3
  • Cコード C0236

内容説明

炸裂していた静かな爆弾。アスベスト(石綿)が人体と環境に残した負の遺産は、今や労災、公害の枠にはおさまらない国民的災害といえる。潜状期間が長い中皮腫、喫煙習慣の陰で見逃されていた可能性の高い肺がん。被害者救済新法の制定はされても、これまで流された涙、失われた命は戻らない。だが実はアスベストの危険性は七〇年代から指摘されていた。八〇年代には徹底除去するチャンスもあったはず。この数十年間企業と行政はいったい何をして、何をしてこなかったのか。本書はその経緯を辿り、大いなる看過と怠慢の問題点を浮き彫りにする。

目次

第1章 激動の二日間
第2章 魔法の鉱物の正体
第3章 狼狽と決断 職業病から公害へ
第4章 「公」に巣食うアスベスト
第5章 止まらぬ波紋
第6章 解体 廃棄 日常のアスベスト
第7章 時効 訴訟 少ない労災認定
第8章 遅れた規制 歪曲 怠慢 癒着
第9章 暗中模索 闘う人たち
第10章 見切り発車 アスベスト新法案、国会へ

著者等紹介

粟野仁雄[アワノマサオ]
1956年兵庫県生まれ。ジャーナリスト。大阪大学文学部西洋史学科卒。ミノルタカメラを経て82年共同通信社入社、2001年退社。フリーランスとなり、月刊誌、週刊誌などに社会問題を中心に執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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