集英社新書
『噂の真相』25年戦記

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  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202755
  • NDC分類 051
  • Cコード C0236

内容説明

噂は、「火のないところに煙は立たぬ」という譬えにならうなら、何かしらの真実を含んでいることがある。この場合、噂は社会への警鐘であり、私たちの生活の健全な潤滑油ともなる。『噂の真相』という雑誌は、一九七九年に呱呱の声を上げ、以来、スキャンダリズムという潤いを世に提供してきた。〇四年三月、その雑誌が休刊した。公人の噂を書くことすら封じ込めようとする「個人情報保護法」の発効を目前に控え、編集長、岡留安則は筆を擱いた。本書は、この名物編集長による体験的、実際的ジャーナリズム論であり、時代変遷の風雲録でもある。

目次

第1章 『噂の真相』揺籃篇
第2章 タブーに向けての躍進篇
第3章 休刊宣言騒動裏事情篇
第4章 スキャンダリズム講義篇
第5章 『噂の真相』イズム闘争篇
第6章 「我カク戦ヘリ」歴史・戦歴篇

著者等紹介

岡留安則[オカドメヤスノリ]
1947年、鹿児島県生まれ。法政大学卒業後、『マスコミ評論』を創刊。その後、79年『噂の真相』を編集発行人として立ち上げ、二五年間、一貫してスキャンダリズム雑誌として、独自の地歩を築く。数々のスクープを世間に問うが、04年3月をもって黒字休刊となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

30
あまりに過激すぎて広告がつかず購読料のみで成り立っていたので、いわゆるメディア規制がかからずますます過激になるという特異な雑誌だった。右翼による編集部襲撃暴行事件とか、印刷所に街宣車が集まり出版が止まったりとか、筒井康隆の断筆宣言も噂の眞相で発表された。出版業界NGも、独立資本だから全然なくて有名作家のゴシップもガンガン掲載していた。おかげで学生時代、特に知りたいとは思わない村上龍と渡辺淳一の最新愛人事情を毎月教えられていた。懐かしい思い出です。2021/02/20

katoyann

26
スキャンダル雑誌として名を馳せた噂の真相の編集者による回想記。私も噂の真相を愛読していたので、当時を懐かしむ気持ちで読んだ。皇室タブーに挑み、右翼に狙われ、検察の不祥事を暴き、司法に目をつけられるという闘争の歴史が書かれている。森喜朗の学生時代の買春をあばき、総理大臣から名誉毀損で訴えられるなどということも懐かしい。安倍政権以降、権力は腐敗しきっているが、こういう時代だからこそ「タブーなきメディア」が求められる。軍事大国化に舵を切った時代状況から回想されているという意味でも読み応えあった。2021/10/20

Humbaba

7
中立であるべきマスコミとはいえ,広告に頼っていれば広告主にとって都合の悪い情報を載せることは難しい.それを避けるためにも,広告に依存しないという姿でやってきた.載せている情報が情報なだけに,敵も多い雑誌であったが,ある一定の役割を果たしたとも言える.2011/04/17

xtc1961ymo

5
再読、今はなき噂の真相の岡留編集長の休刊に合わせて出た手記や感想、ジャーナリズム論、私は筒井さんの連載と文壇事情が一番面白かったです。話題提供者の渡辺さんも生島さんもすでに亡くなり時間の流れを感じさせます。こんなに、発売日の楽しみな雑誌は有りませんでしたね、残念です。2015/02/15

とみしん tomisin555

3
先週ぐらいか、岡留安則氏が亡くなったことが伝えられ、そういえばあったなと、またも積読状態だったのを引っ張り出してきた。休刊は2004年だから15年前。それまで25年間発行されてきたのだから、僕の20~40代にあたる。毎月買ってたわけでもないけど、年に5~6冊ぐらいは読んでいた。左翼とか反権力とかのイメージが強くて、それはもちろん当たってるんだけど、この雑誌のもう一つの特徴は間違いなくエンターテイメント性にあった。様々なスクープ記事の内容を振り返って、やはり著者の一本通った筋がこの雑誌の真骨頂だった。合掌。2019/02/11

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