• ポイントキャンペーン

集英社新書
スポーツを「読む」―記憶に残るノンフィクション文章読本

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 259p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202687
  • NDC分類 780.4
  • Cコード C0275

出版社内容情報

スポーツが、人間を描くことに執着する作家にとって魅力あるフィールドとなったのは、さほど古いことではない。しかし重松清が取り上げてきた書き手たち、寺山修司、村上春樹、開高健、山口瞳、三島由紀夫といった名前を眺める時、スポーツ・ライティングというジャンルの奥深さが浮かび上がってくる。

内容説明

かつて山際淳司が「江夏の21球」を書いた時から、スポーツライターという言葉が定着した。一九八〇年のことである。以来、スポーツの語り部たちは従来の運動部記者にはない独自の文体を駆使して、新しい物語を紡いできた。「スポーツを読む」という楽しみは何なのか。ひとはなぜ、「スポーツを見る」だけではなく、「スポーツを書く」のか。取り上げる三十九人のスポーツライティングの達人を通して、重松清がその真髄に迫る。

目次

1 俊英たちが切り拓いたスポーツを「書く」豊饒の世界(山際淳司;沢木耕太郎 ほか)
2 「見る」という行為を文学者たちも多彩に表現する(開高健;寺山修司 ほか)
3 スポーツには「読む」名調子というものもある(二宮清純;近藤唯之 ほか)
4 対象との距離の取り方が新しい「興奮」をつくる(金子達仁;小松成美 ほか)
5 「過剰」にこだわった時、文章のワザが変化する(ターザン山本;吉田豪 ほか)

著者等紹介

重松清[シゲマツキヨシ]
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部在学中から、「早稲田文学」に携わり、その後、編集者を経てフリーライターとして数々の雑誌で活躍する。91年『ビフォア・ラン』で作家デビューし、99年の『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。翌年には『ビタミンF』で直木賞も受賞する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

26
参りました。スポーツノンフィクションは多様な人が手掛けるため、方法論、味わい、対象種目まで様々だ。本書はその書き手達をクールかつ愛ある視点で解剖した挑戦的な作家論であり、この分野の画期的なブックガイドである。開高健は、ライターが当事者と読者に対する「特権者」である事に苦しんだ末、「オーパ」で「見られる側の筆法」を得る。春樹と龍のダブル村上(!)のあまりに対照的な世界観。肉体に言葉で拮抗しようとする三島由紀夫のコテコテ表現。プロライター達も俎上に乗せ、大橋巨泉も再評価する(これが読ませる)。吉田豪まで登場。2016/07/10

再び読書

25
作家「重松清」は「流星ワゴン」を含め何冊か読んでいたが、このような評論形式は初めてです。全く違うスタイルに、意外な感じがしました。しかし、スポーツライターの矜持に触れたり、拘りを持って書かれています。村上春樹や三島由紀夫もスポーツライターとしての意見が面白かった。また、多岐の著者について触れてあり、目から鱗っていう発見もありました。なぜか触れずにいた金子達仁氏の著作にはこれから挑戦して以降と思います。2015/02/14

kokada_jnet

21
論評人物凄すぎ。山際淳司沢木耕太郎玉木正之関川夏生ホワイティング開高健寺山修司村上春樹三島由紀夫山口瞳村松友視村上龍海老沢泰久夢枕獏高橋源一郎メイラー二宮清純近藤唯之佐瀬稔大橋巨泉阿久悠虫明亜呂無梶原一騎水島新司金子達仁小松成美佐山一郎後藤正治最相葉月夏坂健増島みどり小関順二井田真木子草野進ターザン山本吉田豪浅草キッド豊福きこうホイチョイプロ。2017/01/28

Tommy おぢさん

15
あちゃー!あきません。こんな本を読んだら、また読みたくなる本が増えるじゃないですかっ!プロ野球、競馬、プロレス、僕の好みの本を紹介と言うことなので、図書館の書架で見つけて借りましたが、その出会いがまずかった!10年程前の刊行なので、中身は少し古いけども、その分懐かしい本にも再会しまくり。また思い出して読みたくなる本や、ちょっと知らなかった本。お蔭で読書メーターの読みたい本がまたもや増えてしまった。開高健は借りて、夏坂健は買って、もう一度読みたくなる作品。図書館の本。評価:☆☆☆*★(☆3.5)2015/03/16

makoto018

9
高校から先、ザ・文系でありつつ、読むスポーツ、ノンフィクションは好きだった。スポーツを文字で表す試みは書き手によって様々。勝者と敗者、光と影、二分論で語る者。スポーツに仮託して自分を語る者。組織論だったり、個人論だったり。本書は、文藝春秋社のNumber誌誕生時の山際淳司「江夏の21球」、沢木耕太郎、玉木正之、関川夏央を始め、創世記の作家達から2000年代までのスポーツライターを解説した作品。しかも評者は、重松清。こう企画しま時点で成功したも同然。ただし、紹介された39作品は読みたくなるという副作用あり。2020/05/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/458783
  • ご注意事項